第二百十七話 今後の方針を決める時
「では又何か分かり次第ご連絡致します」
高御がそう告げると日本首相はそれを了承したのか首を縦に振り、そのまま通信を切断する。
「で、どうだった?」
「やはり今回の一件についてだったよ、僕達が収集した情報を提供する事で同意してはくれたけどやはり今回の一件で世界は異形、つまり二人の世界におけるピープルという存在を本格的に驚異と認識しつつある」
「実際俺達の世界でも脅威な訳だしな」
「そう考えるとやはり皆さんに協力するという契約を結んだのは正解だったのでしょうか?」
「ああ、少なくとも現状君達が独自に地球を動き回っていたら間違いなく迫害されただろうね。
只でさえ星間連合という驚異を抱えた状態で更に別の驚異も出現したとなると世界の苛立ちは頂点に達するかも知れない」
「そうなれば世界も此方も大混乱ね……それにそのピープルという存在が私達の世界にも侵攻する意思を持ち始めたら否が応でも問題提起せざるを得なくなる」
「少なくともそうなる前に食い止めたい所ですね」
通信を切断した後、セリアンとスロープを初め一同は会話を行い、ピープルという驚異を改めて認識する。
「神楽、七宝、分かっているとは思うけど改めて告げるよ。
今回の一件で入手したピープルの妖術通路に対して入手出来たデータを迅速に解析し、且つ可能な限り提供出来る形に整えてほしい」
「ええ、分かっています。
セリアンとスロープの為にも至急行動を開始します」
高御の声を聞いた神楽と七宝は急いで謁見の間を外に出て自分の部屋に向かっていく。
それを確認した明帝は
「さて、データが出揃うまで僕達は如何致しましょうか?
流石にこのまま黙っておとなしくしている訳ではないのでしょう?」
と問いかけると高御は
「ああ、僕達の防衛戦力を集める形として星間連合の場合は兵器を中心とした戦力を整えれば良かった。
だが異形については明らかに生身の交戦をしなければならない、そうなると地球の兵士達にも武装、或いは身体能力の向上を行っていかなければならない」
と発言する。
「その上で僕達が可能な事は異形に対して啓発し身体能力や武装面で兵士の皆さんを訓練して行く事が最も大切になると思います。
そうなるとこれまでより訓練のペースを上げていく必要があるかも知れませんね」
「ああ、そして兵士向けの武装についてもこれから更にペースをあげて量産していく必要がある。
地球の皆さんに力をつけて貰う為にもね」
明帝と高御の発言で今後の方針は固まる。
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