第百八十四話 クリン達が出陣する時

「10・9・8……」


兵士が内心でカウントしつつレモンの宣言通り十秒が経過するとそこに


「行け!!フリーダム・アルバ」


と言う声と共に六器の小型の何かが乱入し、それは異性連合の兵器に対してビームを放って的確に急所を居抜き撃墜していく。


「今のは一体……」


カウントが事前に伝えられていた兵士ではあるがその出来事に困惑せずには居られなかったのか動揺した声を出す。

その直後にその直ぐ近くを一機の機動兵器が通り過ぎ、そのまま星間連合の兵器に接近して両手に装備しているライフルや機関銃で撃破していく。


「宣言通り持ち堪えてくれたな、感謝するぜ」


その機体から入ってきた通信により、搭乗しているのがレモンだというのは兵士には直ぐに分かった。


「その機体に乗っているのが先程通信を送ってきた……」


兵士が確認するように絞り出した声で問いかけるとレモンは


「ああ、これが俺の機体。

ディアム・αだ!!」


と機体名を告げると同時に迫っていた星間連合の機動兵器を迎撃する。


「ご協力に感謝します、ですが……」

「分かっているよ、誤爆するようなヘマはしないさ」


先程の攻撃に少々の荒々しさを感じたのか、兵士の声には若干心配といった意味合いが感じられた。

レモンもそれを感じ取ったのか、心配する必要は無いと言わんばかりの問いかけを行う。


「なんとも自信有りげですが……敵戦力が次々と出てきている事についての対処方はあるのですか?」


その自信に溢れた発言が逆に不安を煽るのか、兵士は尚もレモンに問いかける。

するとレモンは


「ああ、突破口はある。

いや、俺達が切り開く!!」


と返答する。

その発言からレモンだけでなく他の面々も何らかの行動を起こしている事は容易に想像出来た。

その頃同じく出撃していたESBの面々はワープゲートに向かって一直線の進路を取っていた。


「そろそろ星間連合の部隊とエンカウントするよ、準備は良い?」

「聞かれなくても何時でも良いわよ!!」


クリンとテテルが話すと同時にその言葉通り眼の前にゲートを護衛していると思われる星間連合の機動兵器が集団で現れる。


「行くよ、キラーズ・α!!

ラテリスの出力を最大にするわ、くれぐれも今突っ込んで来ないでよね」


テテルはそう告げると機体の手に構えているライフルを星間連合の部隊に対して向け、そのまま放つ。

だがそのビームは手にしているライフルの形状からは想像出来ない程大きな物であり、目の前の兵器を粗一掃しつつゲートの中に入り込んでいく。


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