第百七十一話 異形の驚異を再認識する時
「皆さんの行く先が幸多き道になります様に」
友香は詩人の様な返答を行うとそのまま避難所を後にし何処かへと向かっていく。
そして人目につかない裏道に辿り着くと
「さて、そろそろ戻らないとね。
異形が又出現した以上その事を報告する責務もある」
「そうだね、高御様や神楽様への説明、報告も必要だからね、急いで戻ろう」
「その為に使うのも又神楽様の道具というのが言い得て妙だよね」
と会話した後亜矢がポケットから何かを取り出し、それを目の前に翳す。
すると目の前に転移通路が出現し移動出来る用になる。
「さあ、行こうか」
それを確認した亜矢がこう発言すると友香と共にその通路の中に入っていく。
その移動先は本部の通路であった。
「さて、戻ってきたのは良いんだけど皆さんは何方に居るのかな?」
「高御様なら謁見の間、もしそこに居なければ自室じゃない?そして神楽様も同じく」
友香が今二人が何処に居るのかを気にかけると亜矢は自身の考えを述べる。
それを聞いた友香は
「そうね、そしてここからなら自室の方が近いわね。
本来であれば自室に押しかけるのは礼節としては問題かも知れないけどこの状況でそうは言っていられないもの」
と話し、亜矢と共に自室が集まっているエリアへと移動していく。
その後暫く移動すると友香は近くにあった扉をノックする。
「どうしたの?友香に亜矢」
すると部屋の中から神楽が扉を開ける。
どうやら此処は神楽の部屋だった様だ。
「神楽様、実は……」
亜矢はそう話を切り出すと先程まであった事を説明する。
それを聞いた神楽は
「そう、私の生み出した機器が上手く作動したのは嬉しい事だけど、それを喜んでいる場合ではないと言う訳ね」
「ええ、再びあの異形が出現した以上、愈本格的にその対策に乗り出す必要があります。
今回遭遇した異形も以前遭遇したタイプと同じである為、恐らくは同じ生物を何体も作り出す技術を用いているのは粗確定であると思います」
と亜矢、友香と会話を続け、異形に対する危険性を改めて認識する。
「今回も場合によっては民間人に被害が出た可能性もなきにしもあらずです。
そうなった場合、僕達だけでは対応は難しいでしょう」
「それに今回の襲撃であの異形の戦闘能力は明らかに異星連合の偵察員よりも上です」
「つまり、明らかに戦闘能力を極限まで高めていると言う訳ね、だけどそれ以上に問題なのは」
「異形が何処から来ているのか、その点が皆目検討も付かないと言う部分ね」
亜矢、友香、神楽は異形に対する問題点を共有する。
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