第百三話 能力が明かされる時
「そうですね、今は囚われている場合ではないのかも知れません。
星間連合を迎撃する為にも此処で言い争いをしている場合ではありませんね」
神楽の申し出を受け入れたのか、アデルは納得した声を上げる。
そしてそのまま機体を着陸させてから降り、高御達の元に駆け寄る。
「さて、これで僕達がデータを融合させていくと言った意味、そしてテストによる信用は得られたかな?」
高御がそう告げるとアデルは
「ええ、ですが一つ聴かせて頂いても宜しいでしょうか?」
と納得しつつも何か気になる事を尋ねる。
「何?答えられる範囲であればだけど答えてあげるよ」
高御がそう告げるとアデルは
「神楽さんが今回データから兵器を作り出した能力を持っておられる様に他の皆さんの何らかのお力を持っておられるのですか?」
と尋ねる。
「つまり、私達が能力を持っているのかという事が知りたい訳ね。
その質問に対する回答はその通りよ、私達もそれぞれに力を持っている」
ミスティがこう返答するとアデルは
「そうなのですか、もし……」
と言いかけるがその途中でエリーが
「もしそうなのであればその力の詳細を今此処で教えて欲しい、そうして頂ければ僕達との共闘作戦も考えやすくなるので。
そうでしょう」
と割って入ってくる。
「皇子はまだお話中でございますが……」
途中で話に割って入ってきたのが少々気に触ったのか兵士がエリーに反論しようとするがアデルは特に反応するでも無く唖然としていた。
「……その通りですよ。僕が言いたかったのは一言一句間違っていません。
そしてそれが僕が質問したかった内容です」
少し間を開けてアデルがエリーは明らかに笑顔を浮かべる。
それを見たアデルは
「そして今僕の言葉を先読みした事とその笑顔、今見せたのがエリーさんの能力なのでしょう?」
とエリーに問いかける。
それに対してエリーは
「ええ、その通りよ。
私の能力は周囲の生命の心、思考を読み取る力。
今の発言もアデル君の心を読み取らせてもらったわ、その方が早いと思ったから。
流石に私も普段から人の話に割って入ったりはしないわよ」
と返答する。
それを確認したアデルは何処か安心した様な表情を浮かべる。
自身の思った通りの能力であるが故に安堵したのだろうか。
「では他の皆さんの能力は?」
と問いかけると明帝は
「僕は思考を強化する能力だね、この力を使えば非常に高度な計算を行い、敵の行動に応じた対応力も作戦立案能力も強化する力もある」
と説明する。
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