第百二話 テストが終わる時

「皆、協力者と共に前方の敵兵器と交戦、それぞれに連携を取って迎撃を!!」


アデルが全体に発破をかけると一同は兵器に対して向かっていき、背面から攻撃している協力者と共に交戦していく。

その連携は機体が同じとは言え即興とは思えない優れた物であった。

そしてそのまま一気に攻撃して兵器を殲滅していく。


「あと一息です!!皆さんと共に一気に殲滅します」


共闘している協力者の呼びかけにより、アデル達も兵器に攻撃していき、遂に全ての兵器が殲滅された。


「さて、初めてにしてはいい結果が残せたと思うのですが、如何ですか?」


アデルが神楽に対してこう問いかけると神楽は


「ああ、丁度良い感じに仕上がっていると思う。

只、これはまだ序の口なんだけどね」


と告げる。

その言葉を聞いたアデルが


「序の口?まだテストがあるという事ですか?」


と少し不安な口調で問いかけると神楽は


「いいえ、序の口というのは私の生み出す能力の事よ。

もう少し研究が進んだら君達専用に調整した専用機をプレゼント出来ると思うわ」


と告げる。


「専用機?しかしそれは……」

「そこまで根詰めて作る事が出来るのか……とおっしゃりたいのでしょう。

ええ、流石に直ぐという訳には行きません、ですが将来的にはその様にした方がより全体の戦力としてはプラスになると思うのです」


兵士の一人が疑問を投げかけると神楽はこう返答し、それに対してアデルが


「成程、それで今回のテストという訳ですか」


と答えると神楽は静かに満面の笑みを浮かべる。

その様子を見た兵士の一人が


「アデル皇子、それで今回のテストと言う訳というのは?テストの目的は神楽さんの能力のお披露目と新型機のテストでは?」


と問いかけるとアデルは


「他にも目的があったって事だよ。

恐らくその中の一つに僕達がどの様な戦い方を得意としているのか、そのデータを収集するという物もあったんだ」


と神楽に対して確認する様に視線を見せつつ発言する。

それを聞いた神楽は


「ええ、その通りですよ。

そして今回のテストで得たデータを元にして貴方達の専用機の開発に繋げていく。

仮にそこまではいかなかったとしても今後さらなる性能の向上を行う事が出来るのは確定です」


とアデル達に告げる。

それを聞いたアデルは


「それはその通りだと思いますが、今の機体にも愛着がありますので……」

「ならその愛着がある部分を残しつつ発展させて行きましょう。

今後貴方達と共に戦っていく以上、お互いに力を高めあっていく必要があります」


と不安な口調で話すが神楽はそれも受け入れた上で先に進もうと告げる。

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