第八十四話 三人が出撃する時
「分かった、君達に任せるよ。
但し君達は今回が初戦だ、くれぐれも無理はしないようにね」
高御はそう告げ、三人の出撃を認める。
すると三人は直様部屋を後にして直様格納庫へと向かっていく。
そこには既に三人が搭乗することになるであろう兵器を搭載した小型戦艦が出発準備を整えて待っていた。
「さあ、神楽達に負けては居られないよ、僕達も急ごう!!」
明帝がそう告げると他二人も首を立てに振って頷き、そのまま戦艦に乗り込む。
それを確認すると直様戦艦は出発し、目の前に何かを出現させる。
それは宇宙空間に開いたとても大きな穴であり、戦艦はその中に入っていく。
「この空間を抜ければ目的地に付くんだろ?その後はどうする?」
「この技術が正常に動けばね……まだこの瞬間移動は兵器ではテスト段階を終了した訳じゃない。
何しろそれを持ち出さなければならない位状況は切迫していると考えてほしい」
「ええ、外宇宙生命の存在は把握していたけど此方の予測より早い段階で対象が此方に向かってきたのだから。
だけど一度退ける事が出来た以上、奴等も慎重にならざるを得ないはずよ、その点を今後に活かしたい所ね」
そう告げると同時に戦艦は瞬間移動空間を抜けて目的地へと辿り着く。
すると三人は直様搭載されている機体へと乗り込み出撃準備を整える。
「さあ、愈僕達の戦いの始まりだよ!!明帝混沌……否、平穏を目指す戦いで混沌と言うのも矛盾している気もするけどね」
「俺の剣、拳、それらを全てこれから先の敵を粉砕する為に使い続けるぜ、ハルバード・クウォス!!」
「クウォスの拳と共に私の銃も平穏への道を目指す為に撃ち続けましょう、ピースフル・パウ」
三人はそれぞれ決意表明とも言える口調で出撃準備を整え、そのまま出撃していく。
そして三人が出撃し、同時に交戦体制を整える。
「そろそろ来るよ、反応もどんどん増大していってる。
規模は小さいけど気を付けて」
明帝がそう告げると共にその反応を感知させている集団がその場に出現する。
それはやはり機動兵器の集団であった。
だがその外見は先日の物とは異なっていた。
「あの兵器……先日出現した兵器とは異なっているね。
何かが違うんだろうか?」
「それは分かるが取り敢えず鹵獲しておくか?そうやって調べれば分かるだろ」
明帝とクウォスは兵器を鹵獲する事を考えるが、その直後にその兵器のパイロットから通信が入ってくる。
「!?兵器のパイロットから通信が入っているわ、一体何が目的なの?」
パウが困惑した声を上げるが、直ぐに冷静になる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます