第八十三話 次なる動きが見られる時
そう告げると神楽は更にスライドを進め、先日交戦した他の機体についてもデータを表示する。
「他の機体も全体的に汎用性重視になっていますね、武装やオプションパーツに若干の違いは見られますが」
「この編成から考えると恐らく本格的な侵攻の前に現地を調査するのが目的なのでしょう。
それにしては規模が大きい気もしますが」
「行けるんなら一気に侵攻しちゃおうって魂胆だったんじゃない?
大規模な連合を結成しているのであればその位の内部抗争があっても不思議ではないわ」
会場に居る人物が口々に感想を述べていく、その感想は決して素人が口にするものではない。
その口調から彼等も戦略の心得がある事は容易に想像出来た。
「つまりは先遣隊と言う訳ですか、しかしそうだとすると向こうは焦燥感を抱いているでしょうね、何しろその部隊からの通信が完全に途切れたのですから」
「ええ、そう考えると次に取ってくるであろう行動は二つです、一つはより多くの部隊を投入、もう一つは暫くは様子見、小競り合いを仕掛けて来る、この何方かでしょう。
勿論全く違う形で行動してくる可能性も無いとは言えませんが」
会場に集っている面々の会話内容に対し神楽も明確に返答する。
それに対して異を唱える人物は居なかった、それだけその指摘が的を得ているという事なのだろう。
だがその直後そんな神楽の予想が的中したかの様に警報が鳴り始める。
「噂をすればって奴なのかな?早速警報が鳴り始めるとはね」
「何が会ったのか直ぐに表示させて!!」
クウォスがそう告げると高御は直様それに対応して議題を変更し、その警報が何に対して起こっているのかどうかを調べる様に告げる。
だがそれを待つまでも無く神楽は直ぐに動き始めていた、そしてそれから数秒後には
「判明しました!!冥王星付近に昨日と同じパターンのワープゲートが発生しています」
と言う回答を行う。
「つまり次の部隊が仕掛けてきたって事?」
パウはそう尋ねるが神楽は
「いえ、ゲートの規模が昨日に比べて明らかに小型です。
少なくとも前回程の部隊は展開されていないでしょう、だとすると……」
と返答し、それに対して高御が
「マルティー側で何かイレギュラーな事態が発生したのかも知れないね、だとしたらそのポイントに向かってみた方が良さそうだね」
と行動を決める、するとパウが
「なら私が向かいます、私の専用機も今日から動かせる様になったのでしょう」
と告げ
「俺も向かうぜ」
「僕も行きます!!」
とクウォス、明帝も言葉を続ける。
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