テッドとバースの邂逅
一方、エリザがお気に入りの喫茶店で大好物のケーキに舌鼓を打っていたのと同時刻。
(う~ん。酷い目にあったッス)
上級生たちの猛攻から解放されたテッドは、疲れ果てた様子で寮に戻っていた。
テッドの学生鞄の中に入っていたのは、上級生たちから半ば強引に詰め込まれた、大量の勧誘用チラシである。
新入生の中では取り分け体格の良いテッドは、スポーツ系の研究会に所属する上級生たちから、引っ張りだこの人気があった。
「やあ。久しぶりだね。テッド」
不意に何処からか自分の名前を呼ぶ声がした。
その声はテッドにとっては酷く懐かしく、聞き覚えのあるものであった。
「に、兄ちゃん!?」
突如として寮の裏手から現れたのは、血の繋がった実の兄、バースである。
久しぶりの再会を果たしたバースの頬は酷く痩せこけており、見るからに不健康な様子であった。
「どうしてここに!? 病気で休学中だったんじゃないんスか!?」
これまでにも挨拶に行こうとしたことは何度かあった。
だがしかし。
体調不良という名目で暫く学校に通っていなかったバースは消息を絶ち、テッドの前に姿を見せようとしなかったのである。
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