テッド争奪戦
それから。
俺は様々なブースに立ち寄り、自分に合った研究会がないか探してみることにした。
だがしかし。
当然と言えば当然の話なのだが、今のところ『これ』という場所を見つけることができないでいた。
最初こそ、体力トレーニングの一環としてスポーツ系の研究会に興味を持っていたのだが、説明を聞けば聞くほど、拘束時間の長さに嫌気が差していた。
放課後だけならともかく、休日にまで参加しなければならないのが辛いところである。
どうやらスポーツ系の研究会に入る必要はなさそうだな。
体を鍛えたいのであれば、トレーニングルームを使って自主的に鍛錬をすれば良いだけの話である。
かといって魔術系の研究会は、どれもこれもレベルが低くて興味が湧き辛い。
200年前の時代から転生してきた俺に合ったレベルを求めるのは酷にしても、せめて何かしらの見どころが欲しいところである。
「さあ! テッド君! アーミーフット研究会に入って、共に熱い汗を流そうではないか!」
「何を言う! テッド君は我々、ハウント研のものだよ!」
「ぬおおおお! 師匠! 助けて欲しいッス!」
ああ。そうそう。
暫く一緒に研究会のブースを回っていたテッドであったが、暫くすると体格の良い上級生たちに拉致されて、俺の前から姿を消すことになった。
筋肉質でガッチリとした体格のテッドは、勧誘に当たっている上級生の立場からすると絶好のターゲットなのだろう。
実際、先輩たちの見る目は間違ってはいない。
魔術の性能はともかくとして、運動神経に関して『だけ』は、俺がそれなりと認めるレベルに優れているからな。
もしもテッドがスポーツ系の研究会に所属した場合、どこに参加するにしても抜きん出た活躍をしてくれるに違いない。
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