第3話 そうして今日も過ぎていく


 僕の住処は押し入れの中。



 国民的アニメのタヌキのロボットじゃないよ?


 (タヌキじゃなくて猫型ロボットだよ)



 何処からか突っ込みが聞こえてきたけど、まあいいか。




 僕の名前は龍。


 こう見えて、あの伝説と言われているドラゴンと言いたい所だけど、唯の浮遊霊さ。




 歳は十五歳。




 死因は......。




 覚えてない。




 けどかなり長くココにいる事は確かだ。




 何か、未練でもあるのか、俺は成仏する事ができない。



 でもなんの未練があるのか分からないから成仏しようがない。




 俺は少し隙間の空いた押し入れの中から部屋の中を覗いた。





 美桜ちゃん。




 名前もそうだけど、可愛いすぎる。




 歳は俺と同じくらいかな?


 美桜ちゃんが長い髪を掻き上げ、可愛い耳タブが見える。


 背伸びする姿も可愛い。



 手に持っているのは部屋着かな?





 あっ、着替えるのかな?



 俺は紳士だからな、覗いたりしないのさ。



 目を硬く瞑るが、カサッカサッと服を脱ぐ音が聞こえてきて、変な想像ばかりが頭をよぎる。




 ちょっぐらい、いいかな?



 薄目を開けると、完璧に部屋着に着替えた美桜ちゃんがいた。




 す、素早い。




 俺の名前は龍。




 未練を思い出し、成仏したいとも思うけど、可愛い女の子がこんなに間近で見れるのは幸せだな、なんて日々思いながら、時は流れていくのだった。

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