キラキラ光る

『よかった、この時間ならまだ森へ入っても大丈夫そうです。』


『じゃあ、早く入ってしまいましょう......っと、その前にアリス、ちょっと来て?』

 森に入る気満々で前に進もうとした時、私は白うさぎに呼び止められた。


『衣装のままだから、汚れちゃ嫌でしょ?ほらこれ。』

 そう言って白うさぎは大きな布と、トビラの国に入る時に使ったペンダントを渡してくれた。


『このペンダントを首に付けて、この上に乗るの。そうしたら......君の思った通りに、君の行きたい場所にこのじゅうたんが運んで行ってくれるから。』

 それって、また別の童話の話じゃないか?なんて思ったけれど、この不思議な世界ではこんな事はなんでもありなのかもしれない。


『時間がありません、早く行きましょう。』

 私は、白うさぎに渡されたじゅうたんで、白うさぎと女の人は....森の少し荒れた道を歩いて、鍵探しを始めた。


 ✱✱✱


「ちょっと待って下さい。ここ.....さっきも通りませんでしたか?」

 森の中をしばらく歩いていて、私は少しおかしな事に気がついた。


『そうですね.......。いつもならすんなり.......』

 みんなで辺りを見回していると、森の奥の方でキラキラ光っている場所を見つけた。


「あっ、皆さん!あれ!」


『アリスっ!一人で行っちゃだめだよ!危ないよ?!』

 私は白うさぎの忠告を無視して光る場所まで全速力で飛んで行った。

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