鍵の手がかり

『鍵の在処はまだ分からないままだけれど、手がかりはもう見つけてあるわ。』


『その、手がかりと言うのは.....?』

 白うさぎが目を輝かせて女王様に質問する。すると女王様は少し困ったような顔をして『森の中よ。』と答える。それを聞いた瞬間、急に焦ったような声で、『そんな......森の中は......っ、素人が入れる場所じゃないのに!!』と言う。


「そんなに危ない場所なんですか?」

 白うさぎの焦った様子に私も少し、不安になる。そんな私に女王様は優しくこう言った。


『大丈夫。丸腰では森に入らせないわ、ちゃんと護衛は付けます。エース、こっちへ。』



『はい、』

 そう言って現れたのは.......私しと同い年くらいの、女の人だった。


『エース、この方達と森に入ってちょうだい。鍵を、探すの。』


『わかりました。』

 女の人は、とてもたくましかった。森への恐怖なんて全くない様子で準備を始めた。それとは反対に私はとても不安だった、ただでさえ不思議なこの国だから.....森には私には想像も付かないような、怪物みたいな生き物がいるに違いない...と。


『不安ですか?』


 女の人が私に質問する。


「それは、まぁ」

 私が答えると、彼女は笑って『そうですよね、見たところあなたはどこのトビラの住人では無いようですし。』と言った。


「どうして分かったんですか?」


『印がないからです。』

 そう言って彼女は自分の腕を見せる、彼女の腕には、ハートのハンコのようなものが押されていた。


『日が暮れないうちに、早く行きましょう。』

 準備を終えた彼女が、私達に声をかける。私達はまだ、この先に何が待ち受けているのかを知らない。

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