第3話おしゃべりクラブ

おしゃべりクラブ

翌日になるにも放課後になるにも、努力は必要ない。時が経てば時は経つ。そしておしゃべりクラブの時が来た。おしゃべりクラブとは美術部のことだ。学年ごとに大きな机を囲んで座る。そしておしゃべりをするクラブ。絵など描かない。描いてもいいがふつう描かない。そういう空気だからだ。私は空気が読めるのだ。空気を読むとか読めないとかそういった話題がみんな好きだ。それから血液型占いも。そしていまこの机の真ん中に置かれた話題。私には読めなかった。空気は読めたのに。読んだ空気によれば、私もこの話題に加わってこそ空気を読んだ行動ができたことになるのだ。

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