第2話 現実からの逸脱
やっと学校に着きクラスが違う妹と大智とも別れる。
急いで教室に入り先生がいないことに気付き何とか間に合ったと思い一息ついた。
教室に入ると素早く自分の席に着くと、何時ものように、カバンから夜までプログラムを組んでいた物を一刻も早く完成させるためノートパソコンを取り出しキーボードをたたく。
外面には英単語がびっしり並んでいる。
大体1970年代くらいのパソコンは全て手打ちで命令文を打たなければならなかった。今は急速にITが進み人間は極極進化した。ま、この学校で使われているパソコンは大方が古いパソコンなわけだが。
俺が今使っている言語はC言語、最近のスマートフォンのアプリなどはJavaを使っていらしいから、この学校で習うのはJavaである。
そんな事ばかりしているヒロトは、友達と思っているのは雀の涙程である、人当たりも悪くはなく人とはそれなりに話してはいるが、友達とは思っていないという。なんというか変わった男なのだ。
生徒会にも入っていることもあり、知名度はそれなりに高い。生徒会に入れた理由はこの高校が只の人気投票で決めるからだろう、演説の時に好印象を与えることに成功したヒロトは、立候補していた書記に難なく着くことが出来、先生たちからも評判が良く演説後は一年ながらほぼ全て教師に顔と名前を覚えられ、懇談会の時に聞いたが次期生徒会長とも期待されてしまったそうだ。
「有栖川君 おはよう!」
とても明るく話かけて来たのは、幼馴染の親友である赤崎 香織だ。
この学校でゆう所の三大女神のライトポジショニングだ。(知らんけど)
学校では、男女問わず絶大な人気を誇る美少女である。スタイルはよく、穏健で優しく協調性が高くクラスメイトとの関係も良好で、トラブルを起こしたことはない。
これが真面目と言った容姿のと言った風情の女子で、原則、本則正しく、法令遵守で、怖いほど真面目で教師受けも良く、今期では既に
清楚系と言うと少しニュアンスが違う様な気がするが、何と言うか・・・正義と言った方が良いのだろうか。まぁ何方にせよ善の人間である。
正義人などはアニメや漫画で見るが赤崎はどこか違う感じである、真面目なのだ。
一年は別のクラスで、この二年で同じクラスになった。しかし、必然か、同じクラスになる前から赤崎の既存は聞き及んでいた。それもそのはず、五教科十科目999点なんて早々見ない事を平然とやってのける、落としたのは国語を凡ミスしたのみである。このとんでも偉業を成し得た。そんな有名人であり偉人、知りたくなくとも、耳に入ってくるもの。
そして。
幸か不幸か聞かずとも不幸な事に一年最後の長期休みの春休みに彼女は兎に掠われた。
早起きのせいでと体の体質的に昼間に眠たくなるため、休み時間居眠りが多い俺はクラスとの交流はこの朝の時間か昼休みと放課後だけである、その為今話しかけているのだろう。
「おはよう赤崎さん」
そう挨拶を返すと、ヒロトの向いている所の隅から友人が茶化して来ているのが目に入る。
第一何故この赤崎香織は俺にこんなにも好感を持っているのか分からない、金持だからとか顔が良いからだとかは何所か違う、よく解らないがそんな感じだ。
そこへチャイムと同時に先生が教室に入ってくる。
すると途端に部屋の空気が変わり皆席へと着く。
「じゃあ また後でね、有栖川君」
香織は明るい笑顔で手を振って自分の席に小走りで帰っていく。
担任が教卓にプリント等を置き、朝の挨拶が始まる。
朝のホームルームが始る先生は今日の日程を、プリントを片手に説明していく。
我がクラスの担任は、朝の感情がすぐ分かる、と言うよりもきっと自分からそんなオーラを出しているのだろう、前にそんなことを言っていたし。
そんな先生は朝の説明は今朝ニュースに上がっていた殺人事件の事につてが殆どだった、そろそろ学校が休校になるかも知れないと言い、生徒たちは上機嫌、全く他人事である。
先生の説明を終え数分後にチャイムが鳴り始めHRが終了する、入れ替わりで休み時間が始まり俺は検定勉強やプログラムを開始する、この時ばかりは香織も友達と話していたようでこっちには来なかった。
その後は今日の目標プログラムの三割を終わらせその後着々と時間がたち一限目の授業が始まる目前だった。
チャイムが鳴る前に来ていた真面目なうちの担任が話す。
何時もかのように数分前に教室には入り早めに授業を始め雑談やらで、時間を使ってしまう、この先生はこの学校の中では怒ると怖い方だが、先生自身も雑談が好きなのか時には授業の半分以上を雑談で終わってしまう事も屡屡。
「え~ 情報処理問題集を開けてください」
担任にそう言われ、問題集のページを表示する。ここは仕事上出来て当たり前の分野なのでやる意味が全く見いだせない。
「今日は、Iパスの情報セキュリティーの問題を解──」
ここでヒロトの意識が遠のく・・・・
別に授業中に寝てもこの先生は、内用が出来ているのであれば、寝てもいい、と言っていたのでたぶん大丈夫だろう。
そして間もなくヒロトは五月の生ぬるい空気を感じながら、静かに目を閉じ浅い眠りに入っていった。
ようやく午前中の授業が終わり昼食の時間だ。
外からザー、と音が鳴っていることに気づき外に目を置くと凄い雨だ、これが属に言うゲリラ豪雨とゆうやつだ。
最近は雨が多く夜の散歩も傘を差さなくては行けなくなってきた、今日も車で来たため傘を持ってきていない、そこで迎えの車を寄越してもらい凪と帰ろうと考えていると、まだ意識が覚醒しきっていない状態で記憶の中から一つの事を思い返す。
「アリス、明日の昼休み、部活の準備があるからやっといてくれ」
そう部長に頼まれたのだ、俺が副部長をしているのもあるが、あいつはあいつで他の用事があるらしく俺にすがって来たのだろう。
そうゆうわけで部室に向かうべく学ランをきちんと着こなし出発する。
がそうは行かないと言わんばかりに何処からともなく、香織が話かけて来た。
「有栖川君 お昼ご飯食べてないようだけど大丈夫?」
「今から部活の用意とかその後生徒会の仕事ともあるし、それが終わったら
「そうだったの?生徒会、だもんね じゃあ生徒会のお仕事頑張ってね」
何かこの言葉に意味深な感情を感じ教室から出るべきだったと、ヒロトは後悔しこう思った また部活の奴に冷やかされる、と。
月ヶ崎は自分の彼氏が言い寄られているのになぜ反応の一つも示さないんだ、そんなんだからこんな結果になるんだ。
“何所か落ち着くところへ行きたい”
その瞬間、目がくらむ程の光が視界を覆った。周囲は重力が無くなったように机や教室に在った物が宙を舞い、同じ様に人も浮いている。
「うわ!」
「きゃあ!」
誰の声ともしれない声ご聞こえた。
(これはまさかっ‼︎)
それが俺の観た最後の光景
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