第161話 オナサポ耳舐めASMR


 超巨大古龍〈ビッグイーター〉から逃げ回りながら〈射精砲〉のチャージをしていたとき。


「「きゃんっ❤!?」」


 両サイドから僕を抱えるヴァージニア姉妹のふくよかな膨らみが僕の顔を挟み込んだ。

 その瞬間――ドクンッ!


 僕の手の中でシコシコと力を溜めていたL字型の金属筒〈射精砲〉の中に、いままでにない力が流れ込んだ。


「え……?」


 その予想外の力に僕が「ま、まさか」と目を見開いていたところ――僕よりも早く、ヴァージニア姉妹がその異変を指摘した。


「あれ? あれ? これってまさかエリオ様?」

「もしかしてだけどエリオ様?」

「「わたしたちの胸に挟まれて、砲撃の威力が増したよね?」」


「……っ」


 双子の指摘に、僕はまた顔を赤くして思わず口ごもる。

 けどヴァージニア姉妹はどうも僕の異変を確信しているようで、

 

「うんうん、絶対間違いないよ」

「流れ込んでる魔力が違う。量も質もまるで違う」

「「わたしたちで興奮して、こんなに(威力を)おっきくしたんだね❤」」


 にんまりと、どこか悪戯めいた笑みで左右からそう囁いてきた。

 それだけで耳から股間にかけてゾクゾクと肌が粟立ち、さらにドクン!!と金筒に威力が溜まっていく。


 ……もう間違いない。

 ヴァージニア姉妹のサポート(意味深)で〈射精砲〉の威力が上がってる!

 それも1シコごとのチャージ量が増えるとかじゃなく、恐らくは最大威力そのものが!


 僕だけでなく客観的に魔力を測っているらしい双子までそう結論を下しているのだから、その推測はもう間違いなかった。そして間違いないがない以上、取り得る選択肢はひとつだけだ。

 

「そっかそっか。エリオ様はわたしたちでこんなに興奮してくれるんだ」

「ちょっと胸を押しつけただけで、こんなに(砲撃の威力を)おっきくしてくれるんだ」

「「だったらあの古龍を確実に討伐するために、もっとしてあげないとだね……?」」


「や、ちょっ、それはそうなんだけど古龍の捕食から逃れるのも結構ギリギリなのに変なことしてたらマズ――うわああああああああああああああああっ❤❤❤❤!?!?!?!?!?」


 ふー❤ ふー❤

 ぴちゃぴちゃれろれろくちゅぬぽぐぽぐちゅっ❤❤❤

 ずにゅるるるるるう❤❤❤

 

 僕を押さえつけるように左右から挟み込みながら、ヴァージニア姉妹が僕の耳を蹂躙してきた。


 耳に息を吹きかけ、敏感になった耳を柔らかく暖かい舌先でほじくりまわす。 甘噛み、つんつん、ほじくり。あらゆる刺激が耳から脳内を揺らし、全身が溶けそうになる。


 しかも2人の所業は耳舐めだけに留まらず、


「エリオ様かわいい❤❤❤ もっともーっと気持ち良くなっていいからね❤❤❤」

「ほらほら、おかしくなっちゃえ❤❤❤ おかしくなっちゃえ❤❤❤」

「「でもまだ絶対、しちゃだめだよ❤❤❤」」


 耳元でそう甘く囁きながら胸を押しつけ、さわさわと太ももを撫で回してくるのだ。

 

 頭がおかしくなりそうなその状態で僕は必死に手の中の分離男根をチャージしながら叫ぶ。


「うひっ❤❤❤ あぐっ❤❤❤ ちょっ、2人とも❤❤❤ こ、こうしなきゃいけないのはわかるけど、こんなことしててホントに大丈夫❤❤❤!?!?!?」


 そう叫ぶ僕の眼前ではいままさに古龍が暴れ回り、海中の生き物ごと僕たちを飲み込もうと迫ってくるのだ。


 もう何度目になるかわからないその窮地を目の前に、しかしヴァージニア姉妹は揺らがない。


豪魔投擲トール・パニッシャー❤❤」

索敵蜻蛉サテライト・サテライト❤❤」


 執拗に僕の耳や太ももをいじり倒しながら、囁くようにユニークスキルを発動。高出力の魔弾が古龍を牽制し、高速機動の飛行スキルが紙一重で捕食を躱し続けていた。


 けど、


「あ、あ、あ、これ、これヤバイよアクメリア……❤❤」

「そ、そ、そうだねイクメリア❤❤」

「極限のスリルを感じながらエリオ様にご奉仕するこの感覚――」

「極限のスリルを感じながらエリオ様を貪るこの感覚――」

「「クセになっちゃう❤❤❤❤」」



 これ本当に大丈夫!? 

 アリシアや蟻の女王レジーナみたく、なにか新しい扉を開いちゃってない!? 


 けどいまの僕にそんなことを心配している余裕はなかった。

 興奮で昂ぶった姉妹の攻めでさらに全身を溶かされる快感。そして僕らを狙う古龍の迫力とのギャップにいよいよ本格的に頭がおかしくなりそうになっていた。


 けれどそのおかげで――ギンギンギンビン! 


 僕の手の中で、〈射精砲〉の力を宿した鉄筒がかつてないほどにギンギンになっていた。これまでとは比べものにならないエネルギーが恐ろしいほどに凝縮されている。


 これなら古龍を確実に――!


 そう確信するほどの力。

 けどそれだけの力を溜め込んだ代償は、決して安くなかった。


「……っ! まずい、このエネルギー、制御が効かない……!?」


 それは身に余る〝力〟を溜め込んだ代償か。

〈射精砲〉はなにか小さな刺激があれば漏れ出してしまいそうなほど敏感になっており、まともに狙いが付けられる状況ではなかったのだ。


 古龍はちょうど海中に突っ込んで機動を変えている最中であり、微妙に距離が遠い。 

 このままではせっかく溜め込んだエネルギーが無駄になってしまう。


(くっ、せっかく恥ずかしい思いまでしてここまで来たのに、一体どうすれば――)


 と、僕が歯がみしていたときだ。

 僕の脳裏に、アリシアとの仲良しの記憶がよぎったのは。


「……っ」


 瞬間、僕は一つだけ思いつく。

 夜の営みでアリシアに仕込まれてしまった「あの条件反射」なら、ギリギリまで射精砲のエネルギーを制御できるんじゃないかと。


 それはとてもとても恥ずかしいことだったけれど……四の五の言ってはいられない。


「あの……アクメリアとイクメリアの2人に、お願いがあるんだけど……」

「「?」」


 顔を赤くして囁く僕に、ヴァージニア姉妹が首を傾げる。

 けれど僕がその提案をもじもじと口にした途端、


「「お安いご用❤❤!」」


 言って、ヴァージニア姉妹が僕を抱えたまま急加速。

 身を翻す古龍の鼻先へ、凄まじい速度で突っ込んでいった。

 

 当然、そんなことをすればギリギリ一杯の〈射精砲〉にもかなりの刺激が伝わる。けど膨大な力を溜め込んだその金筒は暴発することなくどうにか持ちこたえていた。なぜなら、


「まだ、まだまだ、まだだよエリオ様❤❤」

「5……❤ 4……❤ 3……❤」

「……ッ❤❤ ……ッッ❤❤❤❤」



 アリシアが僕の性感を上げるためにいつからかよくやるようになったカウント寸止めが、双子姉妹の口で行われていたからだ。


 完全なる条件反射で暴発をこらえる金筒は限界を超えてエネルギーをキープ。そして僕は頭がおかしくなりそうな快感の中、死に物狂いで砲塔を構え、


『グオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!』


 こちらに迫り来る古龍の口内にぴたりと照準をあわせる。


「「「3……❤ 2……❤ 1……❤ ゼ~~~~~~~」」


 まだ。

 まだだ。

 

 もっと確実に、絶対に仕留められる距離まで引きつける!


 視界いっぱいに血のように赤い口内が広がり、いままさに古龍が口を閉じようとした、その瞬間。


「「ゼロ❤❤❤❤ ゼーロ❤❤❤❤ ゼロゼロゼロゼロ❤❤❤❤」」

「うわああああああああああああああああああああああっ❤❤❤❤!!!!!!!」


 ドッッッッッッッボオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!


 瞬間、かつてヴァージニア姉妹を打ち破ったときとは比べものにならない規模の水魔法が噴出した。


『ッッッ!? オゴオオオオオオオオオオオオオオオッ!?!??!?!』


 巨大古龍の口内を白濁液が埋め尽くす。

 そしてその勢いはとても口内だけで受け止めきれるものではなく――その赤い口壁に巨大な風穴が開いた。その穴からのぞくのは、白濁液の散らばる高き晴天。


 バッシャアアアアアアン――……


 口内から脳天、背骨をぶち抜かれた古龍が今度こそ大海原に叩きつけられ、巨大な波を周囲に広げていった。街一つ飲み込むようなその巨体は再生する気配もなく、もうピクリとも動かない。


 そんな中、


「あ……う……うぅ……❤」


 僕は限界を超えに超えてすべてを放出した倦怠感と、古龍を無事に討伐した安堵でぐったりと脱力。


 ヴァージニア姉妹がそんな僕を両脇から支えながら、

 

「「いっぱい出たね、エリオ様……❤」」


 にんまりと。

 どこか満足そうに両脇から僕の頬に口をつけてくるのだった。


 ―――――――――――――――――――――――――――――

 ヴァージニア姉妹の一転攻勢


 ※近況報告のほうで、書籍書き下ろしのおまけキャラ掛け合いの画像を丸々1枚公開しておりますのでこちらも是非。

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