第135話 〈淫魔〉VSテロ攻撃 地上戦
王妹殿下も参加するパレードで賑わう〈牙王連邦〉首都を襲った、突然のテロ攻撃。
街中にいきなり出現したイエロードラゴンの群れを男根立体機動で倒した矢先、モンスターを出し入れできる希少アイテム〈異次元殻〉によって地上にはレベル150オーバーのモンスターがいきなり出現していた。その数100体以上。
テロリストが〈異次元殻〉をいくつ所持しているかわからないけど、モンスターの波状攻撃はまだ続くことが予想される。連邦の国家騎士団はどうにか被害を押さえ込んでいるが、対処にもたついては洒落にならない被害が出ると、僕は男根立体機動を解除して地面に降り立っていた。
「「グルアアアアアアッ!」」
途端、2頭の地竜が僕の前に立ち塞がる。けど、
「どけえ!」
「「オゴォ!?」」」
極太のアダマンタイト男根を急所にぶち込んで瞬殺。
すぐさまアリシアと合流する。
「エリオ……大変。街中がモンスターだらけ」
「うん。早く討伐しないと」
言って、僕は周囲を見回した。
この中心街付近は王妹殿下の参加するパレードを守るための戦力が多く、守りが厚い。
だとしたらまず助太刀に行くべきは、街の外縁部だ。
「シスタークレアの護衛は引き続きソフィアさんとシルビアさんに任せるとして、アリシアは街の西方面を助けてあげてほしい」
「……うん、わかった。……けどそれじゃあ、エリオは?」
「僕は――西以外の全エリアに助太刀する」
言って、僕は股間から伸びる男根を変化させた。
とあるモンスターから採取できる不思議な素材〝ゴム〟と化した男根を、道の左右にそびえる石造りの家に引っかける。
その形状はゴムを利用した狩猟武器〈スリングショット〉そのもの。
そうして僕は自らを弾に見立て、ゴム男根を引き延ばすように全力で後ろに下がる。
「それじゃあアリシア、〈主従契約〉の念話機能は常にオープンにしておくから、なにかあったら呼んで!」
「うん……西は任せて」
と、アリシアが頷き、僕が地面から足を離した瞬間――ドビュンッ!
限界まで伸びた男根が、凄まじい速度で僕を発射した。
新たな男根高速機動技――その名もパチンコ。
肉棒高跳びの比ではない。
それこそ剛弓から放たれる弓矢のような凄まじい速度で空を駆け、僕は瞬時に東エリアへと辿り着いた。
「グルオオオオオオオッ!」
「ぐっ、全員早く逃げなさい!」
東エリアでは突如出現した複数のモンスターに中心街以上のパニックが起き、国家騎士団が血みどろになりながら民衆の避難を促していた。そんななか、
「男根剣!」
〈淫魔〉の身体能力で瞬時に肉薄した僕の剣が、モンスターを即座に両断。
「は……?」
崩れ落ちたモンスターに兵士たちが呆然とするが……そんな彼らの視界にすら映らない速度で僕は次の獲物へと突っ込んでいた。
全神経を、自分の男根に集中させる。
(いまの僕のレベルだと、手に持った男根と股間から直接生えた男根、その2本を同時に変化させる男根並列変化が限界だ……! けどあのスキルは別枠なのか、集中さえすれば――)
「男根並列変化――+〈射精砲〉同時使用!」
僕は手に持つ男根を口にくわえ、股間から新たに分離した男根を手に構える。
〈射精砲〉スキルで変化させた鉄の筒だ。
シコシコシコ!
両手を使って〈射精砲〉のチャージをしながら、僕はさらに男根を変化させる。
股間から生えた男根をゴム化させ、パチンコ高速機動で宙を疾駆。口にくわえた男根をふるい、すれ違いざまに巨大モンスターを一刀両断した。そして、
ドピュウウウウウウウッ!
7シコチャージ。
高速機動と近接戦闘中にチャージしていた遠距離砲撃を遠くのモンスターにぶちかます。
「よし! 次だ!」
それから間髪入れずに再び跳躍。
高速移動中に射精砲のチャージを繰り返しながら、接近した巨大モンスターを咥えた男根で一刀両断。チャージが溜まり次第、遠方で暴れるモンスターの頭に射精砲をぶちかました。
口にくわえた男根による近接攻撃と、股間から伸ばした男根による高速機動。
それから移動中と近接戦闘中にチャージ可能な遠距離攻撃。
3つの男根技を組み合わせ、街中に散らばる巨大モンスターたちを効率重視で狩って狩って狩りまくる!
「うおおおおおおおおおっ!」
「な、なんなんだアレは……戦神か!?」
そうして僕は白昼夢でも見たかのように放心する兵士の声さえ置き去りにして。
いま使える男根技のすべてを駆使し、王都レイセントの中で力の限り暴れ回った。
こんな卑劣なテロなんかで、誰1人として死なせるもんかと叫ぶように。
*
そうして視界に映る限りのモンスターを次から次に狩りまくってどれくらい経っただろうか。王都レイセントに満ちていた悲鳴や戦闘音はいつの間にかやんでいて、大規模テロによる混乱はどうにか終息へと向かっていた。
「ありがとうございます……! どこのどなたか存じませんが、あなたがいなければ間違いなく被害はこんなものでは済みませんでした! 是非、王城で正式なお礼を!」
「いえ、兵士の皆さんが頑張って食い止めてくれていたからこそ僕も間に合いました」
僕が最後のモンスターを仕留めて足を止めると、居合わせた兵士の人たちに凄まじい勢いで頭を下げられ、僕は恐縮してしまう。
実際、この国の国家騎士団はとても優秀だった。
レベル150のモンスターを優れた連携でギリギリ食い止めていたし、イエロードラゴンの残りも自分たちで仕留めていたのだ。
彼らの奮闘がなければ、いくら僕が全力を尽くしたところで被害をここまで抑えるのは無理だっただろう。
(まあなんにせよ、少ない被害で済んだみたいでよかった……)
慣れない男根技でかなり精神を削ったけど、その甲斐はあったというものだ。
とはいえ、まだ安心はできない。
〈異次元殻〉を使って騒ぎを起こしたテロリストがまだ潜んでいるだろうし、アリシアたちと合流してそっちにも対処しないと。
と、僕が国家騎士団の人たちから隠れてワープしようとしたときだった。
『エリオ……エリオ聞こえる……? 大変なの……』
「え、どうしたのアリシア」
〈主従契約〉の簡易念話機能で、アリシアの声が聞こえてきた。
その声はアリシアには珍しくかなり焦っているようで。
一体なにが起きたのかと訊ね返したころ、
『テロの混乱の最中に……王妹殿下が……誘拐されちゃったって……っ』
「……!? え!?」
―――――――――――――――――――――――――――――
エリオ君の新しい高速機動技の名前は最初「ペ〇スリングショット」にしようかと思ったのですが、これだと攻撃技っぽさもあるので「パチンコ」にしました。
※そしてお知らせなのですが……淫魔追放、修正を頑張った結果運営様より「掲載継続OK」いただきました! 今後エロ描写に関しては序盤のようにあっさりめになるかと思われますが(いまの41話や92話あたりが限界かな?)、下ネタはこれまで通りいきますので今後ともよろしくお願いいたします! エロ描写は書籍版で盛る方向でいくぞ!
※ちなみに40話ぶんくらい修正かけました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます