05


「やめなさい・・・・ そのこは わるくないわ・・・。 わるいびょうきに なってるだけ・・・。」



かすれた声で彼女が言った。


「----------っ!」


俺は慌てて彼女を抱きかかえた。


すごく熱い。弱りきった身体。 

「すぐに…空調のきいた所にうつさないと!」


「じゃ、じゃあこの子も」

母親の声に、感情を抑えられずに怒りが爆発した。

「ふざけんな! そいつ持っていったら空調止まるだろーが!」


母親が涙目で子供を抱きしめた。


「…っ。--------悪かったよ。

こいつ送ったら、保冷剤を取ってくる。

時間かかるけどないよりマシだろ。」

「……ありがとうございます。」


ちいさな声で、震えながら母親が答えた。


俺は…  なんて事を。



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