第7話 親友。

「ペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラペラ」


「ああ、ほお、へえ」


 木夏の喋りは止まらない。


 話を考えなくていいから、木夏とのコミュニケーションって楽だなあ。


「ちょっと! 聞いてる!?」


「当然」


 頭に入ってないだけだ。


 教室に入る。



 ドガンッ!



「きゃああああ!」

「ぐあああああ!」


 木夏と親友が衝突しょうとつした。


 二人は尻餅つく。


「いてて。ごめん。話に夢中で前見てなかった」


「大丈夫?」


「うん」


 親友が差し出した手を木夏が掴む。


 グイッ!


「うわ! すごい力だね!」


「木夏さんは軽いね」


「ありがと」


 木夏が少し赤くなった。


 俺は木夏に駆け寄る。


「大丈夫かああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


「心配が過剰かじょうよ」


 木夏はちょっと引いた。


 俺は親友の方を向く。


「お前は大丈夫か?」


「見ての通りさ」


「そうか。骨折るわ」


「なんで!?」


「なんとなく」


「なんとなくでかよ!?」


 俺と親友はカハハと笑い、ハイタッチする。


「おはよ」


「おう」


 木夏が居心地悪そうにしていた。


 いかんいかん。


「木夏、コレは俺の親友だ」


「へえ」


「面と向かって話すのは初めてかな」


 親友は咳払いし、喉の調子を整える。


「オレはひさぎひさぎ忠一ちゅういち。よろしく、木夏さん」


「え?」


 木夏は持っていたカバンを床に落とした。











「・・・・・・・・・・・・ちゅういちくん?」











 木夏は親友の顔を見て固まっている。


「何か落としたよ?」





 親友が半分に割れたビー玉を拾った。





「え?」


 親友のビー玉を持つ手が震える。


 木夏と親友ちゅういちはバッとお互いを見た。





「・・・」

「・・・」





 信じられないモノを見たかのように黙る。












 二人の表情はまるで、生き別れになった幼馴染に13年ぶりに再会したかのようだった。

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