第2話 モヤモヤ。

 授業中。


 先生の言う事を分析するように聞きながら、


 半分に割れたビー玉を転がす。


 俺は普段通りに振る舞うように徹していた。


 だが、胸がモヤつく。


 頭の中で再生されるのだ。


 木夏の苦しそうな姿。


 荒い呼吸。


 焦点の合わぬ目。


 そして、


 救急車に運び込まれる時、ポケットからビー玉を落とした木夏の血の気を無くした絶望した顔。



 俺は頭をガリガリかく。


「あーもう、しかたない。帰りに病院へお見舞いに寄ろう」


 俺はノートを破り、割れたビー玉をノートでクシャクシャに包んだ。

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