第8話 うわさ話と一日の終わり。

 それからというもの、木夏は何もしなくても、どんどん友達が増えた。


 周りからヒソヒソ話しが聞こえる。


「春崎君の豹変ひょうへんには驚いたわ」

「あんなキャラだっけ?」

冷笑れいしょうを呼ぶ天才」

「ミスターアメリカンジョーク」


 散々な言われようだ。


 変な異名二つ名までつけられる始末。


 学校に行くの嫌になりそうだ。





 放課後。


「シュウ、明日は寝坊するなよ」


「寝坊は俺のアイデンティティだ」


「明日の朝、起こしに行こうか?」


「ホラーかよ」


「ラブコメだ」


「ホラーじゃねえか!」


「やべ、部活行くわ」


「がんばれ」


「おう」


 親友が教室を出た。


 俺は頭をガリガリとかく。


「しかたない。明日も学校に来るか」

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