第4話 転校初日の転校生にとって今後を左右するであろう一時間目の休み時間。
キーンコーンカーンコーン。
一時間目の休み時間。
親友が心配そうに話しかけてきた。
「シュウ、大丈夫か?」
「うまく呼吸ができなくて、宇宙に放り込まれた気分だった」
「保健室行くか?」
「NASAにする」
横をチラッと見た。
転校生の木夏は緊張した様子で、机のシミをじーっと見て固まっている。
ドキドキと心臓が鳴っているのが、俺にも聞こえてくるようだ。
人に話しかけられたらどうしよう。友達できるかな。変に見られたらどうしよう。などなど。不安の気持ちが伝わってくる。
だが、
「木夏さん、かわいい」
「転校生、すごく綺麗だ」
「なんて声かければいいんだろう」
「どうしよう、話しかけようかな」
周りからヒソヒソ話しが聞こえてくる。
「この調子なら無用の心配だな」
「何が?」
「なんでもない」
俺は木夏を無視して、親友と無駄話に
10分後。
木夏は机を見たまま、動かなかった。
誰にも話しかけられず、人形のように座っている。
キーンコーンカーンコーン。
二時間目のチャイムが鳴った。
木夏の顔は
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