第32話 いざ、練習会へ
「今日から練習会だね!幸也君頑張ってね!」
「ありがとう。無事に選ばれるように頑張ってくるよ」
「テンション上がったからって怪我しないでね」
「ちょっ、俺は子供じゃないから大丈夫だって」
「フフッ、冗談だけど気を付けてね」
「あぁ、じゃあ行ってくる」
家を出て、待ち合わせをしている徹と合流し、代々木体育館の最寄駅である『代々木駅』に向かう電車内で花蓮さんとのこと聞かれたから今朝の話を喋った。
「ふーん。やっぱお前と橋本さんってデキてるだろ」
「いやいやデキてないから」
「いやだって、それを聞いたら誰もが思うだろ。てか、朝から幸也の家にいるってもはや通い妻だな」
「ブフッッッ」
「ちょっ、汚いな」
「水を飲んでる時に徹が通い妻とかふざけたこと言ってきたのが悪いだろ!」
「まあまあ落ち着けって、俺もふざけていっただけだから」
「当たり前だろ、花蓮さんが通い妻って間違っても周りには言うなよ」
「分かってるって」
『間もなく〜、代々木、代々木』
「到着したな」
「幸也と軽口叩いて気を紛らわしてたけど最寄駅に着くと緊張の度合いが半端ねぇ」
「そっか、徹は呼ばれるのが初めてだったな」
「そうだよ!だから幸也が落ち着きすぎてて、余計緊張するんだよ」
「じゃあ、一緒に来ないほうがよかったな」
「やめてくれよ、一緒に行かなかったら緊張しすぎて死ぬわ」
「さっきからかってきた仕返しだ」
「コノヤロー」
代々木駅に到着し、俺達はここから徒歩15分ぐらいのところにある会場、代々木体育館へと向かう。近くに竹下通りなどがあるから車やバスの交通量がとても多い。そんなか、徹と歩いていくと前方にすごく立派な体育館が見えてきた。
「着いたよ」
「着いちゃったかぁ。ここでこれから代表に選ばれるようにバスケをするんだな。やっぱ、めちゃくちゃ緊張するわ。アピールできるようなプレーができる自信がないぜ。てか、代々木駅よりも、原宿駅の方から歩いてきたほうが絶対に近かっただろう!」
「ゆっくり歩いたほうが徹の緊張もほぐれるかと思ったし、運賃が少しだけ安くなる」
「おかしいな、俺の緊張をほぐすよりも運賃の方が目当てで言ったように聞こえたけど?」
「バレたか」
「おいっ!」
「でも、今のやりとりで緊張はほぐれただろ?それに一つアドバイスだ。さっき徹は『アピールできるようなプレーをしなきゃ』って言っていたけどそれじゃあ、落ちるぜ。魅せるようなプレーよりも、本人の普段通りのプレーをあの人は見るからアピールできるようなプレーよりも、いつも通りにプレーできるようにしないとな」
「「「そうだぜ」」」
「よっす、やっぱり来たな相棒」
「知ってたならあの時に教えろよ玲音」
「そりゃ無理だって。監督に怒られちゃう」
「なんだよ玲音。もう幸也と会ってたのかよ」
「僕達は一年ぶりですから優先して欲しいです。玲音君」
「冬馬に優!」
「幸也、この人達ってもしかして…」
「あぁそうだよ。徹は初めて会うから紹介するよ。最初に話しかけに来たのは、桐谷玲音、U15の時のキャプテンで、俺の相棒だった奴で、玲音を越えるF(フォワード)は見たことない。次に話しかけて来たのは、
「は、初めまして。俺は渡辺 徹って言います。ポジションはSG(シューティングガード)です。幸也と同じ高校で、中学総体では県の決勝で戦いました」
「ハハッ、緊張すんなって徹」
「いやいや、有名人達が目の前にいるんだぞ!?練習会よりも緊張するわ!」
「そんなに緊張すると練習会で失敗するぞ。まぁ、俺達と初対面だとこうなるのは仕方ないか」
「そうですね。幸也君、徹君は幸也君目線でどうですか?」
「ん?徹は普通に上手いぞ。決めなきゃいけないシーンで外したところを見たことないからな」
「それは期待できますね」
「そんなことよりも幸也、事情は玲音から聞いていたけど1vs1しようぜ!」
「冬馬、聞いていたなら今やったって冬馬の相手にならないだろう?」
「ついさっき玲音から聞いたけど、劣ってないって言ってたぞ?なんなら、パスセンスも上がってるとか。あ〜早く幸也からパスももらいてぇ」
「おい玲音!」
「ハハッ、事実だからいいだろ。それよりさっさと行こうぜ」
体育館内にはザッと見た感じ70人ぐらいいた。この中から選ばれるのはたったの15人。しかも試合に出れる人数を考えたら交代考えても7人と狭き門だ。
ー玲音、冬馬、優の3人は確定で選ばれるだろうから残りの枠はあと12人。ん?3人?ー
「なぁ玲音、あいつは?」
「あいつは実家を継ぐためにバスケを引退した」
「マジかよ」
「幸也、あいつって?」
「杉山ってやつがいて、俺達4人と杉山がU15のスタメンだったんだ」
「まぁ、その代わりに幸也君が期待している徹君がいるから大丈夫ですよ」
「ちょっ、そんな期待しないでくださいよ優さん」
「優でいいですよ?それにここにいる冬馬君や、玲音君も呼び捨てで大丈夫でしょうし」
「分かった。3人ともこれからよろしく!期待を裏切らないように頑張るぜ」
「幸也君は、一時期辞めたと言う割には体が出来てますね?」
「ん?あぁ、一応筋トレとかしてたからな」
「それだけじゃないぜ!幸也は、橋本さんって言う学校が他校に誇ってもいいほどの美少女にご飯を毎食作ってもらってるからな〜」
「おいっ、それは言う必要ないだろ!」
「仕返しの仕返しだ!」
「あの子は確かに美少女だったな」
「「「なっ、玲音(君)あったことあるのか!?」」」
「あぁ、先週幸也の地元に行った時に幸也と一緒にいたぞ。ついでにそこでナンパ野郎がその子と茜ちゃんをナンパしてたから俺と幸也でボコした」
「おい、なんで面白そうな展開に俺を呼ばなかったんだよ幸也!」
「いきなりだから仕方ないだろ!てかお前、愛知県に住んでるから遠いだろ!」
「そんなことがあったのか。幸也が地元に連れ帰った理由はおいおい聞いて、橋本さんの写真見る?」
「「見るー!」」
「見せようとするなー!てか、冬馬も優もノリノリで見ようとするなー!」
[選手達は、5人1組のグループを作ってから代表の方はこちら来ていただき、番号を伝えるのでその番号順に並んでください]
「そんじゃ、今ここにいるメンバーでグループ作って並ぶか」
「そうだな、幸也の女はまた後でにしよう」
「お楽しみは残しておきますか」
「もう追及しないでくれ」
トントン
「ん?なんだ元凶」
「元凶言うなって。そういえば幸也に伝えたいことがあったのを忘れててさ」
「実は、この間から俺は莉緒と付き合うことになった」ボソッ
「えええええぇぇぇーーー!?」
こうして、最強な5人組が誕生した。
そして、後にこのメンバーが日本が誇る最高プレーヤーになることをまだ誰も気が付かない。
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皆様、本当にお久しぶりです。春幸 夜空です。
先月に更新してから、大変忙しい日々でなかなか更新できませんでした。泣
体調を崩すわ、検定がいっぱいあるわ、学校の再開だわ、部活動再開だわ、ほんとに学生が活動する領域を軽く超えてますよ。
カレンダーに予定を入れてるのですがまぁ驚き。数字の下に空白がある日が全くありませんw
っと、愚痴をこぼすのもほどほどにしてと、読者の皆様にお知らせがあります。
・一話一話の題名のところで、【花蓮sied】と言う題名が二つありましたが、それぞれ【花蓮さんの気持ち】、【閑幕 花蓮の日記帳】に変更いたしました。【閑幕 花蓮の日記帳】は今後も出てきます。
※話の内容は変わっておりません。
・作品の題名を『学校が誇る美少女が何故か俺にバスケをして欲しがる』から
NEW! 『美少女と共に過去の輝きを再びに』に変更いたしました。
それでは皆様、次回の更新は今月中にあと一回はするので今後も『美少女と共に過去の輝きを再びに』をよろしくお願いします。
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