第23話 幸也を怒らせると怖えぇ
今日は待ちに待った花蓮さん達とのプールの日だ。
ー徹にRheinで誘われてからずっと楽しみにしていた花蓮さんの水着姿が見れるー
「幸也君!そろそろ市民プールに行こっか!」
「ホントだ、もうこんな時間。じゃあバスに乗って行くか」
「幸也君、今日はテンションが高いね!」
「そりゃぁ、プールに行くんだもん。楽しみで仕方ないよ!」
「そうだよね!私も楽しみ!」
俺がテンション高いのは楽しみなのはもちろん、何度も言っているが花蓮さんの水着姿が見れるからである。ん?変態だって?そう言ってきたそこの君!変態って言うなら女子と一緒にプールに行ってみな。健全な男子であれば同じ気持ちを抱くから。
「市民プールなのに何故かウォータースライダーあるよね?私、ウォータースライダー好きだから行きたいな〜 幸也君は?」
「俺も好きだから一回は行きたいな。あ、あとは流れるプールで浮き輪に乗ってプカプカ流されたいかも」
「それいいね!私も一緒にやる!」
「じゃあ浮き輪は二人用のだね」
「うん」
以上が市民プールまでのバス内での会話だ。本人達は気付いてないだけであって乗客は全員この会話を聞いてバカップルだと思い込んでしまうような会話だ。
「おーい!幸也、橋本さーん」
「幸也君に花蓮!」
バス停に到着し、バスを降りるとすでに二人がいた。
「おはよう。二人とも早いな」
「渡辺君、莉緒おはよう」
「おう、楽しみすぎて早くきちまったぜ」
「あたしも同じ感じ〜」
「それよりも一緒に来るなんて仲がよろしいことで」
「よろしいことで」
「ちょっ、二人ともからかわないでくれ」
「そ、そうですよ」
「「怪しい」」
「「うっ」」
俺は花蓮さんに家のことを話していいかアイコンタクトする。すると花蓮さんはうなずいてくれたから素直に話す。
「実は、俺らの住んでいる家が同じマンションで隣同士なんだよ」
「それで一緒に来たんだよ」
「そうだったのか。でも…」
「それはすごい偶然だね。でも…」
「「それ以外にも二人して隠してそうで怪しい」」
ー二人とも感が鋭すぎない?ー
「そ、そんなことよりも早くプール行こうぜ!」
「そ、そうだね」
「「あっ、逃げた」」
二人して同じことばかり言うなんて俺からしたら二人の方がよっぽど仲がいいように見えるんだが。
「神川さんに橋本さん。二人の水着姿が早く見たいな」
「あぁ。でも早くみたいからってわざわざ急いで着替えて女子更衣室の前で待つ必要なくない?」
「甘いぞ幸也!あれを見てみろ」
徹に言われて見てみた光景はチャラそうな男性が女性だけのグループにナンパしているところだった。
「あれを防ぐために俺達はここに早く来ているわけ」
「な、なるほど」
ーそこまで考えてなかったぁー
俺が考えていたのは、花蓮さんの水着姿がヤバすぎて周りの人に見せたくないから俺が今着ている前開きで、フード付きのラッシュガードをさりげなく渡すことしか考えてなかった。
「ねーねーそこの男子二人!暇かな?」
「ん?俺と幸也のことですか?」
「そうそう」
花蓮さん達を待っていた俺達に派手派手な格好に濃い化粧をした女性二人が声をかけてきた。
「二人ともイケメンであたい達のタイプなんだわ〜。お金はあたい達JDが払うから今からホテルに行って気持ちいいことしない?」
「いえ、俺と幸也は女子を待っているので結構です。なっ幸也」
「え〜、どうせ私達よりは可愛くないでしょ。そんな子達はほっといて私達と気持ちいいことして遊ぼうよ」
イラッ
逆ナンだけならまだしも花蓮さん達を侮辱したことに対して俺は頭にきてしまった。
「悪いんですけど俺達はあなた方のことなんて全くタイプではないのでお引き取りを」
「お、おい幸也。橋本さん達を侮辱されたからって、 俺も頭にきたけど…」
「そもそも、見たことない人をさらにその人達の友人が目の前にいるにもかかわらず侮辱するなんてすごいですね。その神経に少し感心しますよ。俺から見たら化粧でごまかしてるケバいJDさん達より俺達の友人達の方が圧倒的に可愛いのでさっさと俺達の前から消えてくれないかな。ケバい女ども」
「きゅ、急に何よ。あたい達がケバいですって?ひどいこと言うわね。そんなこと言う子にはお仕置きするわよ?」
「そんなに濃い化粧をしていてケバくないと言えるとかほんとどんな神経してるんですかね?そんなに濃い化粧してるってことは素の顔に不満があるんですかね?」
「うっ。じゃあ証明してみなさいよ。そのお友達があたい達よりも可愛いか、もし私達よりも可愛くなければこの後たっぷりとお仕置きよ」
「えぇ、いいですよ。そのかわりあなた方よりも可愛かったらその濃い化粧を落としてから他の人を逆ナンしてくださいね」
「いたいた!おーい幸也君、徹君!お待たせ!」
「幸也君!渡辺君、お待たせ」
「どうやら、僕の友人達がきたようですのでそのケバい顔で自分たちよりも優っているか、劣っているか判断してみてくださいよ」
「言われなくてもそうするわ。えっ?な、なんなのあの子達。か、可愛すぎない?あっ」
「今認めましたね。ではあなた方の負けですのでさっさと俺たちの前から消えて化粧落として他の人達を逆ナンしてくださいね」
「この人達はどうしたの幸也君?」
「俺達が二人を待っていた時に逆ナンしてきて、それから花蓮さんと莉緒さんを見たことがないのに自分たちよりもブスだろって侮辱してきたから少し頭にきたからこの人達の賭けに臨んでこの人達が負けたってこと」
「そ、そうなんだ」
「それで花蓮さんに莉緒さん。悪いんだけれど負けたこの人達は化粧を落としてから他の人を逆ナンしろっていうのが決まりだから落とすところを一緒に更衣室行って確認してきて欲しい」
「わかったよ」
「なんだかよくわからないけどいいよ!」
「ありがとう。莉緒さん、花蓮さん」
「幸也を怒らせると怖えぇ」
隣で徹がこんなことを呟いていたが俺は聞こえなかった。
「なんか言ったか?徹」
「いや、なんでも。幸也があれだけ言ってくれたから俺もスッキリした」
それからしっかりと化粧を落としていたことを確認して戻ってきた二人と合流。
「じゃあ、最初はイレギュラーなことが起きたけど、今からたくさん遊ぼう!」
「「「おー!」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
皆様お久しぶりです!
更新が遅れてしまい申し訳ございません。
これからは少しでも早く更新できるように頑張ります。
今回から二、三話続けてプール編を書こうと思います。
夏と言ったらプールですよね!そしてプールと言ったらナンパがある。今回はそのような内容を書きました。自分も友人とプールに行ったらこのようなイベントが欲しかったw
面白かったり早く続きが読みたいと思ってくださったらいいね!やレビュー、作品のフォローをしていただけると嬉しいです。
誤字訂正等もありましたら教えていただけるとありがたいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます