第18話 幸也VS矢作先輩

現在の時刻は午後2時


俺達は昼飯を食べた後、ミーティングをしていた。

「まず、矢作先輩を誰がマークする?」

「俺がやる」

「いや、俺に任せろ」

「俺でもいいぞ」


佐川、滝沢、川西は矢作先輩もとい、あのクソ野郎のことを自分の手で潰したいらしい。そりゃぁ、あれだけ言われれば誰だってそうなるよな。


「いや、あのクソ野郎を潰すのは俺にやらせてくれ」


でも、今回だけは潰す役目を俺に任せてほしい。


あいつは俺ら男を馬鹿にするだけならまだしも、花蓮さんが嫌がってるのにも関わらず勝てば付き合えとか横暴すぎる。

それにぶっちゃけると俺は、最初に助けた時はただ美少女だなとしか思っていなかったが今は、ご飯を作ってくれたり、バスケの克服に手伝ってくれたりと感謝しているし、異性として少し気になっている。だから、単純に俺が潰したい。


「俺がマークする。他のバスケ部2人は任せたぞ」


「はぁ〜 幸也にそう言われたら俺達、佐川と滝沢は黙って従うしかないな」

「俺も構わないぞ。なっ、川西」

「幸也ならボコボコにしてくれるね。最悪、僕がゴール下前でヘルプ行くから安心していてね」

「俺もするから安心しとけよ」


「みんな、ありがとう」


「じゃあ、俺がバスケ部の1人をマークするから佐川はもう1人を頼む。滝沢と川西は全員のヘルプをしてくれ。そして幸也。この試合はお前が鍵となる。思う存分に暴れてこい。勝ちに行くぞ、4組!」


「「「おう」」」


試合開始まであと1時間






俺らはそれぞれ試合前の20分前アップよりも前に自主アップを始めた。なぜなら万全な状態で勝ちたいからだ。当然俺もアップはする。


「幸也君。ちょっといいかな?」

「ん?花蓮さんどうしたの?」


「私達は2回戦で負けちゃったけど男子はすごいね。決勝まで残ってしかも相手が矢作先輩でしょ?」

「俺らも花蓮さん達の試合は見てたよ。花蓮さんが大活躍だったけれどあとちょっとだったね」


それから俺は真面目な顔をして伝えたいことを伝える。


「決勝戦であのクソ野…矢作先輩を倒してくるから心配するな!そんなことよりも今日の晩ご飯期待してるからね!」

「もう。今、クソ野郎って言おうとしたでしょ。私は心配してないよ!だってまた、幸也君が助けてくれるでしょ?私はもちろん一番応援するよ!応援しながら祝勝会として今日の夕飯の献立を考えておくね」

「なら、余計頑張らないとな。そろそろ時間だ。応援よろしくね!」

「頑張ってね」


試合開始まであと30分






「みんな、アップするぞ」

俺達は、ボールを使ってアップを始めた。シュートを打ったり、1vs1をしたり。するとすぐに時間は過ぎていった。そして試合開始5分前だ。

「みんな、集合だ。集まってくれ」

徹の掛け声で俺達は集まる。

「あ、あと他のみんなも集まってくれ」

もう競技が終わったクラスメイトが集まってきてくれた。


「決勝戦に残ったのは残念ながらバスケ部門だけだった。だから俺達はみんなの分まで頑張る。だから俺が『勝つぞー』って言ったら『1.2.3.ファイトー』って掛け声をしてくれ。じゃあやるぞー」


「「「「「「おう(うん)」」」」」」


「4組、勝つぞーー」


「「「「「「1.2.3.ファイトー」」」」」」

俺たちの気合いは十分。女子達からは『頑張って〜』の個別応援。そして男子からは


『『『あのクソイケメン野郎を潰せぇーーー』』』


なんとも言えない応援を受け取った。



『ただ今より、バスケットボール部門決勝戦を始めます。試合は今までと異なり8分を10分で行います。対戦クラスは3年6組vs1年4組です。それでは試合を始めてください』


ピーーーー


『『Tip Off』』


「勝負だ!」



最初のオフェンスは俺達だ。そして、ジャンプボールを受け取った徹が、スタートと同時に走り始めた佐川にロングパス。そのまま、佐川のレイアップシュート。

まず2ー0だ。

「ふーん。点を取れないで終わらずによかったね。それで僕の相手は米谷君か」

「その発言は単なる負け惜しみに過ぎませんよ先輩」

「このガキ潰してやる」

早速、俺vs矢作先輩が始まる。


先輩は、レッグスルーで左手に持ち替え、ステップバックからフェイントをし、俺がジャンプをしたところでワンドリブルしてジャンプシュート。これで2ー2。


「やっぱ、お前相手じゃ潰し甲斐ががないな。雑魚は引っ込んでおけよ」

「たかが一本決めただけで調子乗んなよ」


煽る割には先輩も俺にマークする。

滝沢がボールを運んできた。よし、俺もやるか。

「滝沢!ボール寄越せ」

「お、おう」


俺は球技祭初の自分からプレーをしようとした。

レッグスルーで左手に持ち替え、ステップバックからシュートフェイントをし、奴がジャンプをしたところでワンドリブルをしてジャンプシュート。先輩のプレーをコピーしてきれいに決める。得点は4ー2。


「これでもただの雑魚とでも?あんたは俺が潰す。覚悟しておけ」

「クソッ」


全く同じプレーをし、煽るなら煽られる覚悟があるんだよなという気持ちを持っていると仮定して俺は先輩を煽って怒らせる。



「まだまだ試合は始まったばかりだ。試合を楽しもうぜみんな!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

さぁ始まりました、決勝戦!!

次からはハイレベルのプレーの連発!?

そして今回で幸也が花蓮のことを異性として少し気になることが発覚!!

続きはどうなるのか、皆さん楽しみにしていてください。


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