第4話 橋本花蓮

俺は教室の入り口から入ってきた2人の少女を見て固まってしまった。

なぜなら、片方の彼女のことを知っているからだ。



固まってしまった俺を見て徹は

「おい、幸也?どうしたんだ?」

と言っていたが俺には全く聞こえないくらい動揺していた。


ーなぜ彼女がいる?昨日彼女に会った時大人びていたから彼女は自分よりも年上の気がしていた。なのにまさか同級生だったとは。面倒になりそうだ。向こうも顔は覚えてないだろう。よしっ 初対面のフリをして関わるのはやめようー


「わりぃ、わりぃ。ちょっとボーとしていたわ。それでなんだっけ?」

「おいおい。いくら今教室に入ってきた子が可愛くて見惚たことには同意できるが、聞いてないのは別だぞ」

「だからわりぃって。それに俺はそこまで見惚れてないぞ」

「幸也、その言い訳は見苦しいぞ。それでさっきの続きだけれどバスケはもうやらないのか?」


確かに俺は見惚れてしまっていた。しかし、それはクラスのみんな同じはずだ。艶のある黒い髪が肩の少し下まで伸びており、目はクリッとしていて頬はモチモチしていそうで唇は桜色でプルッとしているのである。出るところはしっかりと出てて引き締まっているところは引き締まっているのだから。


「ああ。徹ごめん。悪いけど俺はもうバスケをしようとは思わない。実は最後のシュート前に足が痛かったがそれを無視したままプレーした結果、俺のせいで負けたんだ。表ではみんなドンマイとか頑張ってくれたとか言ってくれてるけど裏では俺のせいで負けたと思ってるに違いない。そう思うとバスケをするのが怖いんだ」


「なんだよそれ。そんなこと言う奴はいないに決まってるだろ。今だから言うけれど俺は、ディフェンスはうまいらしく俺を抜くことが難しいらしい。そんな俺が、幸也のことを全くと言っていいほど止められなかったんだ。お前はめちゃくちゃうまいんだよ。もし、そんなようなことを言う奴がいるのならば俺がボコボコにしてやる。だから一緒にバスケしようぜ」


「サンキュ。でもごめん。俺はまだ立ち直れないと思う。だからまだやるつもりはない」

「そうか。なら仕方ないな。やりたくなったらいつでも言ってくれ。俺はいつでも待ってるから」

「ああ」


俺はとてもいい親友を持ったみたいだ。こいつとならバスケを一緒にやってみたいと思い俺は自分で驚いた。負けてから一度もやりたいと思わなかったのに今は少しやりたいと思ってしまったからだ。


「あっそうだ。入学式終わったらどこか遊びに行かないか?」

「おっ。いいねぇ行こうぜ」

「そうだなぁ どこ行こっか」


「あの。すみません」


「「はい?」」


「あなたはこの間、河川敷で助けてくれた方ですか?」


「えっ?」

「ギクッ」


「やっぱり。先日は助けていただきありがとうございます。私の名前は橋本 花蓮はしもと かれんです。米谷幸也君これからお隣としてよろしくお願いしますね」


「えっ?なんで俺の名前を?」

「それは座席表に名前が書いてあるからです」


「えっ?なになに?お前ら知り合い?俺の名前は渡辺 徹。幸也の親友だ。よろしく」

「はいっ。よろしくお願いします。米谷君には先日近くの河川敷で私がひつこいナンパに引っかかっていた時に助けていただきましたが名前を名乗らずに去ってしまいました」

「ははっ 幸也もやるなぁ。だからさっき入り口から入って来た橋本さんを見て固まったのか」

「余計なこと言うなよ徹」

「えっとどう言うことですか?詳しく教えてください」


「実は……」


「これから体育館に行くぞー。入学式だからしっかりと服装を直せー。」

担任らしき女性が教室に来て移動の指示を出す。


ー助かったぁ 徹には余計なことを言わないように言っておかないとな。ー







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本日はなんと2話更新できました〜

昨日に引き続き自分でも驚きですw


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