第5話 花蓮の気持ち

あのナンパの日から次の日になり、私はこれから同じ高校に通う中学時代の親友、神川 莉緒かみかわ りおと一緒に登校していた。莉緒はショートヘアが似合う少女で胸が少し小さいが小柄でよく守りたくなる!との理由で男性からモテる。そんな莉緒に昨日の出来事を話した。


「ねぇ莉緒 昨日、河川敷でまたナンパされちゃった。」

「ちょっと大丈夫なの?もう何回目よ。」


ほんと私も何回目よって思っちゃったことは自慢になっちゃいそうだから心の中に留めておいて。


「うん。無理やり連れて行かれそうななったけどある人ーーー」

「連れて行かれそうになったぁ?それのどこが平気よ。危ないじゃない。」

「最後まで聞いて!連れて行かれそうになった時ある人が私のことを助けてくれたの。それでね、なんの見返りも要求しないまま気を付けてねって言って走り去っていったの。」

「その助けてくれた人に感謝ね、って何の要求もなかったの??」


「うん。ビックリでしょ?」


「ビックリよ。それで名前は聞けたの?」

「それが聞こうとしたら『当然のことだから。』って言って走り去っていったから聞けなかった。でも見た感じが高校生でここら辺の高校だと私達と同じ滝々峰高校の生徒だと思う。」


「なんか聞いてるとすごくいい人だね。高校で会えるといいね。あっ!あそこ!これから通う高校が見えて来たよ!」


昨日の出来事を話していたら家から15分ぐらいで着く学校に到着した。



「あった!花蓮、あたし達同じクラスで4組だよ!中学に引き続きよろしくね!」

「本当だ!莉緒よろしくね。」


私は莉緒と同じクラスになって浮かれていた。この後さらに驚きなことがあることも知らずに。

私達は同じクラスになれたことに嬉しく思いながら教室に向かう。

教室の前に辿り着いた。


「待って花蓮。ちょっと心の準備が…」

「準備も何もないよ。早く入ろう。」

私はドアを開けた。


ガラガラガラ


開けて最初に教室内を見回してビックリ。昨日の助けてくれた少年が同じクラスにいるではないか。


ーまさか同級生であって同じクラスの人だったなんてー


「花蓮どーしたの?」

「莉緒、見つけました。昨日助けてくれた少年を。」

「えっまじ?よかったじゃん。」


私達は座席表を見ながら話していた。


ー彼の名前は米谷 幸也って言う名前なんだ。覚えておかなきゃー


そしてさらに驚くことに席が隣なのである。まぁ橋本と米谷じゃ隣になる可能性が高いもん。ちなみに莉緒は右隣の一番前の席だった。可哀想に。

私は席につき米谷君と話せるタイミングを伺っていた。



やっと後ろの席の人との会話が終わったように思えた。今がチャンス。私は勇気を振り絞って声をかける。


「あの。すみません。」




それから会話が進みやはり米谷君が助けてくれた人だと分かった。渡辺君が言うには教室に入って来たときの私に少し見惚れてたらしい。すごく恥ずかしい。

ちょうどそんなタイミングで担任らしき人が入学式だから体育館に移動するぞとの指示が出た。先生、ナイス!

私は莉緒と一緒に体育館に移動した。


「莉緒、やっぱり米谷君が助けてくれた人だったよ。」

「隣の人だよね?すごい偶然だね。お礼としてなんか奢ってあげれば??」

「うん。そうする。」


ーそういえば、さっき渡辺君と話していた時バスケがどうとか言っていたな。実は私はバスケを見ることが好きである。米谷君もなのかな?入学式後に聞いてみよー



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