第6話[平和な日々]

政府の呼び出しに応じ、応接室で政府上層部が来るのを待機して待つ春夏。


「別にマリア殿は来なくて良かったのに…。」


「うるさい馬鹿。」


マリアと狂華がそんなやり取りをしている間に、政府の上層部の人達が入って来て、呼び出した理由を春夏に説明した。


「視察ですか。」


海外の視察に心躍らせる春夏。


「春夏一人じゃ心配だし、私も付いて行くわ。」


マリアのその言葉に政府上層部は慌てて止めた。

Sランク第一位と二位、更には付き添いで狂華まで送るとなると、費用がかなりかかってしまうからだ。


「だったら自腹で行くわ。」

「職務としてじゃなく、あくまでプライベートでなら文句ないでしょ。」


そうまでして行きたいのかと政府上層部は思いながらも、あくまでプライベートならと許可を出す。


「そう、嬉々も一緒にどう?」

「費用の心配ならしなくていいわ。」

「私が出してあげる。」


それを聞いて、嬉々も海外旅行に心を躍らせた。

がっ、流石にSランクを四人も送り込むのは政府側としては困る。

その事を説明すると、狂華は溜め息を吐き、海外視察の件を嬉々に譲る事にした。

影の件もあり、嬉々には少し後ろめたさがあったからだ。


「分かりました。」

「それじゃあ海外視察の件、どうかよろしくお願いします。」


こうして、三人は海外へ行く事が決まった。

この先、大変な事件に巻き込まれるとも知らずに…。


第一部 完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

絶望の果てに カラスα @neb

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ