第6話[平和な日々]

今回の一件で影のボスである時停さんが自らの手で命を絶った事を狂華ちゃんから知らされた。

もっと他に道は無かったのだろうか。

私はそんな事を考えながら、彼が埋まっているお墓に花を供えた。


「春夏殿は優し過ぎます。」

「彼、いや、彼のグループのせいで、影は解体。」

「就職難に陥った人が多く居るんですよ。」

「だから気にしないで下さい。」


そう言って、狂華ちゃんは私を気遣ってくれる。

優しいのは狂華ちゃんの方だよ。

今回だって、狂華ちゃんが居なかったらどうなっていた事か、本当に狂華ちゃんには頭が上がらないよ。


「私、狂華ちゃんとお友達になれて本当に良かったよ。」


「春夏殿、もう可愛い過ぎます。」


抱きつき頬擦りをする狂華に嫉妬の眼差しを向けるマリア、直ぐにでも引き離したいが、狂華に触れてしまえば能力が発動してしまう。


「ぐぬぬ、良いところ全部持っていきやがって、私、狂華嫌い。」


「そんな酷いです。」

「春夏殿、マリア殿に虐められて辛いです。」


何が辛いよ。

幸せそうに春夏の胸を揉みやがって。

怒りで拳を震わせるマリアを他所に、狂華は春夏から離れ、真面目な話しを始めた。


「嬉々殿についてなのですが、無事にSランク入りを果たしそうです。」

「入れ替え戦など行わず、新たに一枠設けて、その枠に嬉々殿を入れるみたいです。」

「ランキングは次回のランキング戦まで最下位になるみたいですね。」


それらを聞いて春夏は安堵した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る