第4話[過去]

昔の話しだ。

私は幼い頃、実の両親から虐待を受けていた。

毎日毎日、殴る蹴るわの暴力の日々。

本当に地獄だった。

それでも私は我慢した。

両親を愛していたからだ。

だが、両親は私を愛する事はなかった。

毎日の暴力に耐えきれず、私は二人を殺してしまう。

包丁を握り、ゲートの能力を使い、二人を刺殺したのだ。

手をゲートに入れれば、別の所に作られたゲートから私の手が出てくる。

それを生かし、両親の背後にゲートを作りだし、そして包丁を突き刺した。

ある程度刺せば、大人といえど弱っていく。

弱りさえすれば、後は楽だった。

能力を使わなくたって殺せた。

全身血塗れのまま、家を出て行った。

どこに行く宛もない。

路上に座り、ボーッとする私の前にナナナが現れた。


「私、ナナナ。」

「貴方は?」


「ナナナ?」

「変な名前だね。」


私がそういうと、彼女は怒り出した。


「失礼ね。」

「これは、ボスがつけてくれた名前なんだよ。」


「ボス?」


「そう、ボス。」

「スリーセブンは縁起がいいとかで、ナナナ。」

「流石に、ナが六つは呼びづらいとか何とか、まあ、私の事はいいや。」

「それで、あなたは?」


「私の名前は…、いやいいや。」

「名前何て、いい。」

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