第3話[不愉快です]

国民か…。

それはコイツがただの一般人ならの話しだ。

嬉々、コイツが狙われるには理由がある。

その理由は、コイツが産まれながら上位ランク者じゃない事だ。

感情の起伏で能力の威力が強くなる場合はあるが、それは同じ手持ち花火でも、線香花火と普通の花火位の差がある程度、両親が殺されたからといって、急激にランクが上がるなんて聞いた事がない。

だが、嬉々は自身の能力のランクを上げた。

前代未聞の存在。

いつ、また同じ様な事が起こるか分からない。

虐めも受けていたのだろう。

そういった辛さを溜め、また同じ様に能力を暴発させれば、彼女は国の脅威になるだろう。

そして、能力のランクを更に上げた場合、彼女を止める者は居なくなるだろう。

全てに絶望し、全てを無くそうと考えれば、彼女は国を滅ぼしかねない存在だ。

そう考え、今の内に彼女を始末しようと影は動いたに違いない。

それらの理由を春夏達に話す。


「大丈夫、そうなったら私がなんとかする。」


何の根拠もない春夏の言葉に、デッドは笑った。

次に嬉々が能力を暴発させ、ランクを上げたら、恐らくSランクを超えてしまうだろう。

そんな前代未聞の存在に果たして春夏の能力は通用するのか?

そんな疑問をデッドは抱いたが、春夏なら本当に止められるかも知れない。

そう思ってしまう。

彼女は私のヒーローなのだから。


「分かったよ。」

「協力してやる。」

「ナナナ、留守を頼む。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る