第3話[不愉快です]

とは言ったものの、大体の予想はつく。

彼女の態度、ルックス、そして年代。

それらを考慮し考えれば大体の事が分かる。

恐らく恋愛絡みだろう。

まあ、何の依頼だろうとやる事は変わらない。

少々痛めつけ、口に拳銃突っ込み脅せば大抵何とかなる。

報酬は少ないが楽な仕事だ。

そう考えながら、デッドは紅茶を口に含んだ。


「実は黒マントについて何だけど…。」


予想外の台詞にデッドは飲んでいた紅茶を吹き出した。

黒マント。

その言葉に嫌悪感を抱き、眉間にシワを寄せる。


「ナナナ、薬を持って来い。」


そう言うと、デッドの隣にいた女性が奥の部屋へ走って向かう。

手が震えるデッド。

マリアの能力の後遺症。

少しでも嫌な事があると、死にたくなってしまう。


「ふざけやがって、あの野郎。」


マリアに憎しみを抱きながら、運ばれて来た薬を飲む。

しばらくして、落ち着きを取り戻したデッドは二人に「帰れ」と告げる。

納得のいかない春夏にデッドは怒鳴る。


「黒マントにつけ狙われる奴なんて、ロクな奴じゃねぇ。」


何かを知っていそうな発言に、春夏は嬉々の許可を得て、嬉々の事を話し始めた。

それらを聞いて、何故、彼女が黒マントにつけ狙われるのか理解する。

だが、それでも奴らには関わりたくない。

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