第2話[転校、そして出会い]

春夏との電話の後、マリアは枕を投げて大喜びする。


「マリアール学園に入学してて良かった。」

「まあ、一度も行った事は無いけど…。」

「でも…。」


春夏との学園生活。

一緒に勉学を学び、一緒にスポーツを嗜む。

お昼を共にし、夕日を見ながら帰宅する。

最っ高に嬉しい。

もう踊っちゃう。

ご機嫌に踊るマリアだが、モニターに映るメイドと目が合い、固まった。


「お嬢様、ご機嫌の所申し訳ないのですが、学校には行けませんよ。」


「はあ?」

「どうしてよ。」


「能力の検査があります。」

「お忘れですか。」


検査、くっ、確かにそうだ。

私にはまだ自由に過ごせる時間何て無いんだ。

それでも、前向きに考えなきゃ。

この検査や実験で薬を開発できれば、より多くの人と関われるかも知れない。

前まではこんな事、思いもつかなかった。

これも全て、春夏のおかげだ。

春夏のおかげで自分の能力と向き合う事ができた。

マリアは拳を握り、それを見つめる。


(きっと、お父様は春夏と出会わせる為に、ランキング戦の参加を勧めたんだわ。)

(ありがとう、お父様。)


父に感謝し、マリアはベッドにダイブした。

いつか来る、春夏との学園生活を夢に見て…。

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