第2話[転校、そして出会い]

ランキング戦が終わり、数ヶ月後。

春夏のもとに、父から連絡が来る。

内容は、聖マリアール学園、そこに転校して欲しいというものだった。

何でも、その学園では親殺しと呼ばれる生徒が居て、校内の生徒達から虐めを受けているとか…。


「何の運命か、その生徒は私が昔お世話になった人の娘さんなんだ。」

「だから春夏、彼女を救ってあげて欲しい。」

「流石の父さんも、女子校に女装して潜入するのは無理があってな…。」


「無理って…、お父さん、女子校に潜入して無いよね?」


「…。」


「答えてよ。」


溜め息を吐き、電話を切る。

とはいえ、虐めか…。


(何とかしなきゃね。)


春夏はそう強く思い、マリアに連絡をした。

彼女も確か、聖マリアール学園の生徒だったはず…。


「何?」


うっ、凄く不機嫌そう。

前、仕事休んだのまだ根に持っているのだろうか?


「あの、怒ってる?」


「当たり前でしょ、あんたが来なかったせいで、デッドとかいう女と二人きりだったんだから。」


うぅ…。

マリアちゃんとデッドさんの仲の悪さはSランク内でもかなり有名。

犬猿の仲、水と油、まさにそんな関係だ。


「ごめんね。」

「実は、聖マリアール学園に転校する事になって、その事で話しをと思って連絡したんだけど…。」


「えっ、そうなの?」

「何処のクラス?」


あれ?

急に機嫌が良くなった。

良かった、許してくれたんだ。

春夏は父から聞かされた内容をマリアに全部話した。


「親殺しねぇ。」

「私達の地区じゃ有名な話しよ。」

「何せ引き篭もり…、じゃなかった。」

「私の耳にも入る位だから。」


「へぇ〜、そうなんだ。」


色々とマリアとお喋りをし、電話を切る。

これからの事を思い、春夏は引越しの準備をする事にした。

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