第1話[超能力バトル]
差し出される春夏の手を取り、狂華は医務室に連れられる。
医務室で治療系の超能力を受けながら、狂華はマリアとの戦いを辞退した。
彼女の能力を知るからこそ、次無茶な行動を起こせば自分の命が危うい、そう思ったからだ。
「春夏殿、一つ修道院マリア殿について聴いては頂けないでしょうか。」
頷く春夏を見て、狂華は修道院マリアについて語り始めた。
修道院マリア。
彼女に触れたり、攻撃的思想などを彼女に向けると能力が発動し、死にたくなってしまう。
言わば精神汚染系の能力者だ。
その能力は産まれた時から発動しており、彼女を取り上げた助産師はその影響を受け、自殺未遂を起こしてしまう。
能力のせいで、誰からも触れられない。
誰も彼女と会おうとしない。
彼女は今まで、誰とも接触せずに生きてきた。
「春夏殿、彼女と戦うのはオススメしません。」
「もし、彼女が貴方より能力が上回っていれば…。」
「大丈夫。」
「私、メンタル強いから。」
春夏の笑顔を見て、狂華は自己嫌悪に陥った。
メンタルが強い何て嘘だ。
彼女は中学生の時、部活で超能力の大会に出ていた。
全国大会の個人戦、幼い頃から有名だった彼女と戦う者は居なかった。
不戦勝で全国大会を優勝した彼女の表情は暗く。
他校の生徒達から陰口を言われ、一人で泣いていた彼女。
そんな彼女が精神的に強い訳が無い。
それでも私は彼女を止めなかった。
言っても聞かないだろうが、私は止めようとする事をしなかったのだ。
それ所か私はマリア殿の過去を話し、彼女をやる気にさせた。
私は所詮、政府側の人間なのだろう。
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