第2話
「司書さん。話があります。」
「なんですか。」
司書はそういうと手に持っていた本をパタンと閉じた。
「青春とはなんですか?」
「青春ですか……。」
司書は顎に手を当てて考える仕草をとる。
「っていうか、司書さん何歳なんですか?」
「私ですか?私は21ですよ。あなたの先輩で、今は大学の関係でここでバイトをしています。」
「へー。若いですね。」
「私以外の女性にこんなこと聞いてはいけませんよ。」
「すみません。心に刻んでおきます。」
司書は「全く」と呆れた様子で頭に手を当てる。
「で、青春についてですね。青春とは、夢を追いかけることじゃないですか。」
「もう少し詳しく教えていただいてもいいですか?」
「人は誰しも夢を持ちますよね。私も幼いときはアイドルになることが夢でした。」
「え、可愛いですね。」
「からかってるんですか?」
「いえ、そんなつもりでは。で、その夢がなんなんですか?」
「人は皆、夢を持つ。でも、その夢をいずれ忘れてしまいます。その忘れるまでの期間、つまり夢を持ち続けている間が青春なのではないでしょうか。」
「なるほど。司書さんは青春中ですか?」
「ええ、そうですね。」
「じゃあ、夢はなんですか?」
「秘密です。」
司書は口に指を当て答える。
「そっか、残念だな。じゃあ、ありがとうございます!」
「では、いってらっしゃい。」
こうして今日も2人の昼休みが終わった。
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