第12話
彼のお母さんから彼は先月、亡くなったことを聞いた。私が一緒にいた世那君は誰だ。外に出たときには、世那君の姿はもうなかった。夏樹との写真も一緒に。さっき口パクで「ミナ、ありがとう」と言っているように思えた。私はなぜだか懐かしい気分になった。前に覚えた違和感の正体がわかった気がした。涙がこぼれてきそうなのを必死でこらえ、式場の中に戻った。
式が終わり、みんなでブーケトスのために外に出た。セミの鳴き声はもう聞こえない。こちらこそありがとう夏樹。私は高い空にむけてブーケをなげた。
夏のたより 百桃 @mio34
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