惚れるとデレちゃう隣のクラスの地味子ちゃん(旧題)陰キャ扱いされている俺の幼馴染みが眼鏡外して前髪上げたらイケメン扱いされてるけど、お前ら頭おかしいんじゃねぇの?
第70話 告白に邪魔が入りすぎても問答無用系女子
第70話 告白に邪魔が入りすぎても問答無用系女子
さて、千衣子を送り届けてから俺は真っ直ぐ家に帰……らないで、茜の家に行く。
何故かって? それは簡単。茜から『僕、家に着いたけど翔平は? 聞いて欲しい話があるんだけど……。まだ帰ってないならその前にウチに来ない?』って、一部の女子が聞いたら、勘違いして鼻血出しながら奇声でも出しそうなメッセージを送ってきたからだ。
だが間違ってもそんなことは無い。あるわけない。きっと二組に別れた後の事を話してくれるんだろう。さぁて、どうなったのかねぇ……。
そして茜の家の前に立つと、俺はインターホンに手を伸ばして呼び出しボタンを押す。
ビーーーーッ!
するとやたら大きいブザー音が鳴る。昔はピンポーンって音だったらしいけど、「そんな可愛らしい音じゃ訓練中に気づけねぇ!」って茜の親父さんが言って変えたらしい。怖い。会いたくない。ぶん投げられる。思わず歯がカタカタ……って震えそうになる前に茜が玄関に出てきた。
「翔平。ちょっと道場の方に行こう。家に父さんはいないけど、母さんと姉さんいるからちょっとね」
「お? なるほどね。あの姉ちゃんに聞かれたら掻き回されそうだしな」
「しーっ! どこで聞いてるかわからないんだから!」
「お、おぅ……」
俺は小さく頷くと、茜と一緒にコソコソと道場の中に入り、茜は周りを見渡してから鍵をかけた。
「うん。大丈夫そうだね」
「だな。で、話ってのはなによ? 聞くまでも無いだろうけど」
俺は自分でも分かるくらいにニヤケながら茜に詰め寄って聞く。なんなら軽くボディブローを当てながら。……いや、ホント腹筋固いな。全然効いてないし。その証拠に、茜は俺のボディブローを受け続けたままで、照れながら口を開いた。
「え、えっと……あはは。うん、まぁ……付き合えることになったよ」
「おぉぉぉぉっ! やったじゃねぇか!」
「声! 声大きいって!!」
「ぐふっ! ちょ……まっ……」
俺は照れて力加減を忘れた茜のボディブロー返しで一瞬息が詰まる。ダメだって。お前はやっちゃダメだって。
「あぁっ! ごめん翔平! でもあんな大声出したら姉さん達に聞こえると思って」
「そ、それはすまん。まぁ気にすんな。俺もそこそこ鍛えてるしな。びっくりしただけ。で、なんて告白したんだ?」
嘘。ただの強がりだ。しっかり効いてるんだコレが。けどまぁこんなことは茜とつるんでれば日常茶飯事だからな。いちいち気にする事でもない。
それよりも茜と美桜の事が気になる。あの早くくっつけよ状態からどうなったのか。
「えっと……まず最初に言っておきたいんだけど、告白は僕からじゃなくて美桜ちゃんからなんだ」
「……は? え? なんでそうなった?」
うそーん。今日の四人でいる時の流れ的にも、茜からって感じだったんだけど!?
「いや、本当はね? ちゃんと僕から告白するつもりで、美桜ちゃんと初めて会った場所でもある高校に行ったんだよ? 休みだし、時間的にも誰もいないと思ってさ」
「ほうほう」
おい、なんだ茜。何気にロマンチックな事するじゃんか。
「で、それから何があったんだ?」
「それがね、吹奏楽部が今日に限って一日中練習してたみたいで、告白のセリフを言おうとした途端に太鼓とかトランペットの音で美桜ちゃんに聞こえてなくて失敗したんだよ。それで美桜ちゃんがどこかに行ったら音が止まって、戻って来てからまた告白しようとしたら今度は木の上から虫が落ちてきて美桜ちゃんが叫んでダメになって、学校の敷地内じゃ無理かな? って思ってたら美桜ちゃんが僕の手を引いて外に出ようとしたんだよ。そうしたら今度は知らない制服を着た男子が校門の所にいて、『美桜! 昔の約束を果たしに来たんだ! 俺と恋人になろう!』とかいきなり言い始めたんだけど、美桜ちゃんは『え、誰? 美桜知らない 』って無視して歩き出したんだよね。だけどその男子は、『俺だよ! 小さい頃病院で知り合ってお互いに将来を誓い合ったじゃないかっ!』って言いながら追いかけてきたんだけど、美桜ちゃんは『あ、ごめん。美桜覚えてないや。ゴメンね。じゃあね』って言ったら膝から崩れ落ちた後に『美桜ぉぉぉお!』って叫びながら迫ってきたら近くに警察がいてその男子は連れていかれて、そのまま僕と美桜ちゃんは近くの高台に行って今度こそ告白! と思ったらそこには和野君がいて、そうしたら美桜ちゃんが僕にジュース買って来てって言うから、ジュース買って戻ってきたら和野君はベンチの上でうつ伏せで手を下にダラんと下げながら寝てて、そこから離れて告白しようとしたら、いきなり美桜ちゃんが僕の肩を掴んで、『あーもう! なんでこんなに邪魔入るの!? なんなの!? もういいっ! もう我慢出来ない! ねぇ茜君、美桜はね? 茜君が好きなの! 大好き! 茜君はどうなのっ?』って言ってきて、ついその勢いに負けて『あ、うん、僕も……好きだよ……』って……」
「んぉ? おぉ? お?」
おいちょっと待て。情報量が多すぎて頭の中で整理出来ないんだけど?
え、何? 美桜の過去に一体何があったの? その男は一体誰? そして美桜強すぎじゃね? 和野に何した?
まぁとりあえず──
「お、おめでとう?」
で、いいんだよな? ん?
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