第8話 義妹と恋なんて幻想
「あほ~! ばか~! 変態~! 巨乳好き~!」
義妹の香帆のそんな罵倒を受けながら俺は風呂を洗う。
いつもなら、香帆の母さんで父さんの再婚相手でもある
つーかこいつやかましいな。後、別に巨乳好きじゃねぇぞ!? 小さいのも普通のも全て等しく好きだ! 胸を大きさで差別なんてしてはいけない! 絶対にだ!
まったく、なんて誤解を生む発言をするんだこいつは。
「くぅ……お母さんは大っきいのになんで私のは……」
まだなんか言ってるし。……よし、風呂洗い終了。後は栓をして溜まるのを待つだけだな。今のうちに部屋にカバン置いて、着替えも持ってくるか。
ついでにスマホゲームの画面も開いて、イベント報酬を見ながら俺は階段をのぼっていく。すると、まだ後ろから声が聞こえてくる。え? ついてきてんの?
「ねぇちょっと聞いてんの? 普通女子のブラ普通に手に持つ!? しかも見栄っ張りとか失礼にも程があるんじゃない!? あのデザインあのサイズしかなかったんだから!」
「お~? おぉ~」
俺は適当に返事をして部屋に入る。てかサイズがちゃんと合うやつじゃないとダメとか聞いた事あるけど、大きいの付けてて大丈夫なん?
そんな事をボーッと考えながらスウェットに着替え、風呂場で音楽聞くために防水ケースにスマホを入れるとすぐに廊下に出た。
「あ、やっと出て来た。ねぇさっきの返事は何? おぉ~? とかって絶対私の話聞いてないでしょ? 聞いてないよね?」
まだいた。
「妹の下着にいちいちそんな変な意識するかよ。バカか」
「んなっ!!」
そして俺は階段を下りて脱衣場に向かう。
いや香帆よ……まだついてくるのかよ。お前のお兄様は今から風呂にはいるんだけど?
「い、妹って言っても私達は義理の兄妹じゃない……。つまりは他人とも言えるわけで……その……もう少し女の子扱いとかしてもいいんじゃない?」
「可愛いぞ」
「えっ、ホントっ!?」
「ブカブカのブラがな」
「そっちじゃなぁ~いっ! つーかブカブカ言うなし!」
ホントこいつはなぁ……。可愛いっちゃ可愛いんだけど、バカの方が強いんだよなぁ。
つまり【バカワイイ!】……うん、流行らなそう。
まぁいいや。とにかく今は風呂だ風呂。そうと決まれば俺は早速上を一気に全部脱ぐ。
ふふん♪ 体は割りと引き締まっているはず。たま~に巻き添えで茜と一緒に稽古つけられたりするからな。だからある程度鍛えてないとズダボロになる。逃がしてくれないし。
「ちょっ! 何脱いでんのよっ!」
「それはな? 風呂に入るからだ」
「知ってるわよ! そうじゃなくてまだ私がココにいるでしょ!?」
んなもん知らん。そして俺は最後の砦に手をかけて…真下に下ろすっ!
「ひゃっ……いやぁぁぁぁぁぁっ!!」
香帆は叫びながら脱衣場から出ていった。
いやぁぁぁぁっ! ってなんだよ。失礼な。勝手に見たくせに。えっち!
するとリビングから香帆の声が聞こえてきた。
「お母さんっ! しょう兄ちゃんがいきなり私の目の前でおしり出したぁ~!!」
ちょっ! おまっ! 何言っちゃってんの!?
てか美帆さんパートから帰って来てたの!?
ダメでしょ~それ言っちゃあさぁ~。
「あらあら、良かったじゃない。ちゃんと写真撮ったの?」
おい! あんたも何言ってんだぁ!?
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