第7話 ひんぬー義妹はイケメン評論家

「う~ん……。まさかあのキーホルダーが手作りだったとは……」


 歩きながら呟いてみる。

 さすがにあれは予想外だったわ。そりゃ変だ、って言われたら怒るわな。

 まぁ、明日謝ろう。変に深く考えたところでどうにもならんしな!

 とりあえずコンビニ寄ってチョコ買って帰るか。疲労回復には甘い物ってね!



 そう思って帰り道にあるコンビニに立ち寄ると、雑誌コーナーで茜を見付けた。


「よう! 今日の主役はエロ本でも読んでんのか?」

「あ、翔平。何言ってるのさ。そういうのは十八歳まで読んじゃダメなんだよ?」

「あっはっは! ……お前マジか」

「当たり前じゃん。そんなの読んでたら父さんに投げ飛ばされちゃうよ」


 あーそれはありそうで何も言えねぇわ。

 茜ん家、色々厳しいもんなぁ……。


「まぁ、しゃあないか。今チョコ買ってくるから一緒に帰ろうぜ」

「いいよ」


 そして会計を済ませてからの帰り道。俺は気になってた事を聞いてみた。


「で、あの後どうなったんだ? なんかパリピ女子達に拉致られてたろ?」

「あぁ……うん。そうだね。なんて言うか……凄かったよ」

「凄かった?」

「うん。もうね、自己アピールっていうのかな? それが凄くて、誰も僕の話を聞いてくれないんだ。ただでさえ喋るの苦手で、それでもがんばったけどダメ」

「あ~それ、一番ウザいタイプじゃねえか」

「はは、僕はそこまでは言えないかな? それにしても、なんでいきなりこんな事になったんだろ……。今まで話したことも無いような人ばっかりだったよ。中には僕の名前間違えて呼ぶ人もいたし」

「ホントそれな。アイツら何考えてんだか……」

「はぁ。とりあえず今日は疲れたから、組手休ませて貰えるように姉さんに頼んでみよっと」

「……休ませて貰えるといいな」

「……うん。無駄な気もするけどね。あ、もう翔平の家だね。また明日」

「おう、またな」


 そう言って俺は家の中に入った。



「ちょっとしょう兄ちゃん!」

「ん? なんだよ」


 家に入るなりドタドタと音をたてながら香帆が玄関までやってくる。

 おい、こっちはまだ靴も脱いでないんだが?


「さっき、しょう兄ちゃんが帰ってくるのを見つける為に窓から外見てたら見えたんだけど、あのカッコ良さの中に若干の可愛さと儚さを兼ね備えたイケメン誰!?」


 おいおい……マジか。こいつもかよ。つか、なんで俺が帰って来るの見張ってんだよ。なんか見られたら不味いことでもやってんのか? どうでもいいけど。

 あと、お前はなんだ? イケメン評論家でもやってんのか?


「はぁ? お前何言ってんの? どっからどう見ても茜だろーがよ」

「はぇ? 茜君? あれが? あの陰キャの?」

「そうだよ。あと陰キャ言うなコラ」

「うそぉ~ん……」

「ほんとぉ~ん。だっつーの」


 俺は靴を脱ぐと、玄関で固まったまんまの香帆の横を通り過ぎてカバンを階段に置くと風呂に向かう。とりあえず汗を流してサッパリしたいしな。

 ん? これは……。

 俺は洗濯機の上に置いてあったモノを手に持つと、廊下に出てこう言った。


「おい、お前の見栄っ張りブラ置きっぱなしになってんぞ」

「っ! ひゃぁぁぁぁ! ばかっ! あほぉ! まだこれから大きくなるもんっ!」


 あ、やっと動き出した。





 ━━━

 頑張って書きます。良ければ星をポチッとお願いします

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る