第2話 へぇ?!

俺、八重島智和の父親が職場の同僚の女性と再婚した。

それで.....再婚相手の七束香くんという少年と。

同じく光さんという新たな俺の母親が一緒になった。

そんな香くんと一緒に.....近所のコンビニに向かってから俺は幼馴染の中島俊介に香くんは男じゃないと思うんだがと指摘されて。


何だか知らないが香くんが少年に見えなくなってしまった。

俊介め.....余計な事を言いやがって。

思いながら俺は頭をガシガシ掻く。

香くんは男だ、と言い聞かせながら、だ。


「兄貴。どうしたの?」


「.....いや。何でもないよ。すまん」


「あはは。変な兄貴」


帰宅途中でペットショップで犬を見ていた俺達。

香くんはニコニコしながら目の前の犬を見ていた。

そしてガラス戸に入っている犬に、よしよし、とかしている。


俺はその姿を見ながら鎖骨に目がいく。

クソ!俊介の馬鹿、絶対にシバく!

俺はそんな方向じゃないのに。


「兄貴。この犬、可愛いね」


「あ、ああ。そうだな。可愛いな。抱くか?」


「え?中に入るの?」


「そうだぞ。中に入ってから.....犬を抱かせてもらうんだ」


丁度、このペットショップは俺の知り合いの女性がやっている。

その女性に頼めば犬を抱かせてくれるだろう。

思いながら立ち上がってからショップの中に入った。

それから少し初老の絹枝さんに会う。


「あら。八重島くん。いらっしゃい。.....その子は?」


「あ、この子はそのえっとですね。再婚相手の一緒の男の子です」


絹枝さんは目を丸くした。

それからジッと何故か香くんの顔を見る。

そして絹枝さんはとんでもない事を言い放った。

えっと、この女の子は.....少年では無いと思うのだけど。

と、だ。


「.....え.....え!?」


「だってどう見てもとても可愛い女の子じゃない。この子。あはは。八重島くんも冗談がすぎるわ」


俺はもう一度、香くんを見る。

しかしその中だったが香くんは平然と答えた。

ニコニコしながら、だ。

僕は男ですよ、と言いながら、だ。

全く動揺しない感じで、だ。


「僕は男ですよ。あはは」


「だ、だよな?香くん。あはは」


だが絹枝さんは悩んでいる。

そんな馬鹿な、的な感じで、だ。

それから顎に手を添える。

そして目を丸くする。


「うーん?でも.....男じゃない気がするのだけれどね。女の子の香りがするわ。私、犬と一緒で鼻が良いから」


絹枝さんは?を浮かべる。

その事にギクッとした香くん。

え?ギクッて何だ。

考えながら居ると香くんは、兄貴やっぱり犬は今度で良いかも!、と飛び出した。

え、ちょ!?、どういう事だ!?



数メートル走った。

それから俺はゼエゼエ言いながら香くんを見る。

香くんもゼエゼエ言っていた。

そして俺を見てくる。

俺は聞いた。


「えっと.....香くん、大丈夫か?」


「う、うん。でもちょっと走ったから汗をかいちゃったな」


「じゃあ家帰って俺と風呂入るか?」


その事にギクッとした香くん。

そしてぎこちない態度で、い。いや.....それは、と言い淀む。

背中をそれなりに流し合いっこしたら親睦も深めて楽しいかと思ったのだが。


でも無理には勧めない様にするか。

まだ出会ったばっかだしな。

思いつつ香くんを見る。


「じゃあ帰ってからバラバラに風呂に入るか」


「.....だ、だね。うん」


そんな会話をしながら家に帰って来た。

それから俺達はバラバラに風呂に入る事にして。

考えていると、買い物に出ています、と張り紙が有った。


俺はそれを和かに見ながら、洗面所、この先に有るから先に風呂に入って来たら、と香くんに言う。

それに対して香くんは、分かったよ兄貴。じゃあ入って来るね、とニコッとして案内された洗面所へ向かう。

俺はそれを見送ってから.....ソファに腰掛けた。


「.....俊介と絹枝さんの言っている事は事実なのか?でも有り得ないよな。あはは」


何だか変な妄想が広がる。

困ったもんだな、と思いながらテレビを点ける。

アニメがあっていた。

俺はそれを見ながら台所で紅茶を淹れる。

そして椅子に腰掛ける。


「そういや確かに男の娘ってのはアニメに有るよな。でもまさかその逆?あはは。有り得ん」


小馬鹿にする様に笑って思って、あ、と思って立ち上がった。

俺の仕事をしてない。

洗濯機を動かしてないのだ。

あれは俺の仕事だ。

動かさないと、と思い洗面所に来た。


「.....ついでに香くんの洗濯物を洗濯をしてやる.....か?」


香くんの鼻歌を聞きながら。

側に有った洗濯物を入れるバスケットの中を見る。

そして俺は固まった。

何故かそこに.....女性モノの下着が入っている。


えっと、光さんが着替えた?

いや、まさか。

この短時間でか?

無いだろそれは。

着替える理由が思い付かない。


それに少しだけ若すぎるだろこの下着は。

と思って固まっていると。

シャワー室のドアがタイミング良く.....開いた。


「.....え.....」


「.....え?.....あ、兄貴.....兄貴!!!!?」


赤面する少年.....が居た。

いや違う。

そこには少しだけ大人になる為に胸が膨らみ、それから女の子の特徴の体の輪郭をして.....立っていた。

とてもじゃ無いが肉付きが男では無い。


で、一番目が引かれたのが.....下半身。

そこに有るべきモノが無かった。

つまり男が持っているべきモノが、無い。

俺は真っ赤に赤面する。


「.....お、お、お前.....男性じゃない.....少女だったのか!!!!?」


「う、うん。あ、兄貴.....うん。その、後で話すから離れて.....恥ずかしいから」


「はいぃ!!!!!」


そして大慌てで俺は洗面所を離れた。

それから洗面所のドアを閉める。

いやいやいやいや、嘘だろうオイ。


思いつつテレビを見ると.....ボーイッシュな女の子が映っていた。

でもまさか.....そんな事が!?

嘘だろ、え?、嘘だよね?

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