再婚して義弟.....?が来ました。でも義弟の本来は???だった。

アキノリ@pokkey11.1

第1話 彼は本当に男か?

俺、八重島智和(やえじまともかず)16歳。高校2年生。

黒髪の短い髪にパーカーを良く着る男子高校生。

そして中肉中背で174センチの身長。

特技、歌をそれなりに歌える。

それ以外に特技は無い普通の凡人だ。


父さん、八重島吾郎(やえじまごろう)。

55歳、一般会社務め。

そして中肉中背で身長170センチ。

特技は優しさ。

とても心優しいのだ。


そんな父さんと一心同体に2人で今までずっとやって来ている。

歩み続けている。

それもかれこれ5年近く、だ。


優しい母さんがある日、脳腫瘍で病死してから父さんはずっと俺を心配してくれて穏やかな感じで俺の成長を何時も見守ってくれた。

5年間、ずっと、だ。

父さんは本当に俺を何時も助けてくれるヒーローだ。

そんなある日の事。


父さんが職場の同僚の女性と再婚する事になったと俺に言ってきた。

打ち明けられた当初はかなり抵抗が有ったが父さんが、信頼出来る人だと思うから、と言ったので少しだけ抵抗感が有りながらも仕方が無く再婚を承諾。

そんな再婚する理由としては俺の事を心配しての理由であった。


夜がたまに遅くなりその際などにコンビニ弁当ばかりを食わせているから心配だ、との、だ。

確かにな、父さんも俺も料理が苦手だから。

だからそうなっている。

その様に考えながら居ると時間が過ぎていき。

あっという間に義弟と義母のやって来る約束の当日になった。


春の季節もそこそこの3月15日の事。

インターフォンが押されて俺達は玄関まで行った。

この2階建ての1軒家に再婚相手と住む事になる感じだ。

玄関を開けると少年と母親が立って居た。

それを父さんが気遣う。


疲れたね、と言う少年は横に居る母親を笑みを浮かべながら気遣いつつ荷物を持ちつつ俺の父さんに渡す。

心優しいな、と思いながら俺は見つめる。

俺も手伝った。


義弟になるその心優しい少年の名前は七束香(ななたばかおる)くん。

黒髪の短髪に笑みが特徴的な感じの清楚な感じの男の子。

身長は俺より10センチぐらい違う。

かなり小柄だな、と思いながらも男らしさは満載だった。

何故なら心強さを感じたのだ。


そして俺の義母になる柔和な感じの母親の名前は七束光(ななたばひかり)さん。

黒の長髪にストレートヘア。

顔立ちはかなり柔和な顔立ちをしている。

それから俺に対しても香君に対しても。

勿論、父さんに対しても母性を惜しげなく出す感じの女性。


その二人がニコッとしながら俺と父さんに向いてくる。

俺は少しだけ頬を掻きながら。

そして迎えた。

父さんが言葉を発して、だ。


「ようこそ、我が家に」


「今日からお世話になります」


「なります」


「.....」


男3人、女性1人か。

と思いながら俺は柔和に見る。

その中で香君だが何だか俺をチラチラ見てきていた。

ちゃんと兄貴をやれるかどうか見ているのだろう。

俺は意を決しながらやる気に満ちた。



「今日はバスでちょっと来ました。遅くなりまして申し訳無いです」


「いえいえ。光さん。はるばる良くいらっしゃいました」


俺達は一家だんらんの場所で有るリビングまで来てからそんな会話を交わす。

光さんの話を聞きながら俺は目の前に座っている香君を見る。

香君は俺を見つめている。


しかしそれはそうとまつ毛が長いな.....と思いながら俺は顎に手を添える。

まるで女の子の様だがでも違うんだよな。

俺の義弟で男の子か。

と思いながら俺も柔和に反応する。

すると光さんと父さんがハッとして言った。


「そうだ。一緒にコンビニに買い物に行ってらっしゃい。こんな話に付き合いって飽きるでしょ?」


「それは確かにな。男同士で言って来たら良い」


言われ俺は香君を見る。

香君は、だね母さん、と言いながら笑みを浮かべた。

それから立ち上がって俺を見てくる。

兄貴。外に行こう、と言われた。

少しむず痒いな.....。


「一人っ子だったから慣れてなくて恥ずかしいな」


「あはは。兄貴はそうなんだ。僕もそうだよ」


テレテレした感じで香君は俺に手を差し出す。

でも強いな。

さっきといい、光さんを守っている。


それだけで強いって良く分かる。

俺は細い手を握りながら.....って言うか本当に女性みたいだな。

手が本当に細いじゃないか。


「じゃあ母さん。行って来るね」


「父さん、行って来る」


俺達は二人に挨拶する。

そのまま、行ってらっしゃい、と見送ってくれた二人。

で、俺達はそうしながら近所のコンビニに向かう。

それから店内に入るとバイト中のアイツが居た。

幼馴染の男友達、中島俊介(なかしましゅんすけ)だ。


「よお。智和。ハロハロー」


「よお。俊介」


「おう。お。もしかしてその子か?例の男って」


香君をにこやかに指差す俊介。

少しだけ日焼けした肌にニカッとした顔立ち。

黒の短髪に身長176センチ。

日焼けしているが運動は嫌いらしい。

今でも、だ。


「ふーん。でも君、痩せてるな。ちゃんと食ってる?」


「し、失礼な。食ってる」


「.....そうか。うん。それなら良いんだが.....うん。.....智和」


突然呼ばれて俺は俊介の元に近付く。

何だよ、と話す。

すると俺の首の後ろに手を回してきた俊介。

それからヒソヒソと言葉を発した。


「オイ智和。すまないが彼、全然男に見えないんだが」


「お前。それは失礼じゃ無いか?」


「いや、何だか俺の直感がわさわさ言っているんだが.....本当に男か?」


「.....うーん.....」


確かにナヨッとはしているがそんな直球って失礼だろ。

しかも有り得ない話だろ。

だって.....それだったらどういう理由で男装するんだよ。

思いながら俊介を引き剥がす。


「男だっての」


「う、うーん.....?」


顎に手を添えて俊介は香君を見る。

いやいや、疑り深いな。

思いながら俊介を見つめる。

そうしていると俊介が客に呼ばれた。


「あ、すまん。また後でな」


「ああ、仕事してこい」


そして俊介は香君を疑いながらも仕事に戻る。

ため息交じりに俺は香君を見る。

香君は、何を話していたの?、的な顔をしている。

俺は首を振る。


「いや何でもない。君が良い子だって話をしていたんだ」


「あ.....そうなんだね。僕ってそんなに優しいかな」


「ああ」


香君は満面の笑顔を見せる。

ったく、俊介め。

何だか知らないが香君が女性に見えてきたじゃないか。

全く有り得ない話なのにな。


だが俺はまだ知らなかった。

光さんと香君に.....とんでもない秘密が有る事を、だ。

その事を知ったのは後の方であった。

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