第22話 この後めちゃくちゃ揉んだ
俺は一人、テントで頭を悩ませていた。
「にしても、どうすっかな……。さすがに聖女に異端認定されたらヤバイよな……」
レアス神殿は王宮にも強い影響力を持っている。
聖女様を敵に回すということはすなわち、国を敵に回すということに等しいだろう。
かといって、大人しくウェヌスを破壊させるわけにはいかない。
……何だかんだ言って、俺はこいつが邪悪な剣だとは思えないのだ。
「って、そのウェヌスはどこ行ったんだ?」
鞘の中は空っぽになっていた。
大方また人化して「女子たちと寝るのじゃ~」とか言いながら、小屋の方に行ったのだろう。
ほんと、ブレないやつだ。
「……まあそれはいい」
俺は思考を元の方向へと戻す。
イザベラは俺の味方をしてくれるかもしれないが、一貴族である彼女では、王宮に逆らうことはできない。
下手をすれば彼女まで巻き込んでしまうことになるだろう。
こうなったら国外逃亡するしかないか?
俺だけなら別にそれでもいいんだが……別段、この国に愛着があるわけではないし。
けど、アリアたちはこの国に家族がいるからなぁ。
ともかく、レアスに戻ったら聖女に会いに行って、直接、その真意を問い正してやろう。
下手をすれば戦闘になるかもしれないが、今の俺たちなら逃げ出すことくらいはできるはずだ。
セレスティーナたちもあっさり倒せてしまったしな。
「ま、これ以上は考えても仕方ねぇか」
俺は孤独な思案タイムを終了すると、バックパックから瓶を取り出した。
レアスの街で買った葡萄酒である。
クルシェの影の中に収納しておいてもらったもので、ゆっくり楽しんでいくつもりだったのだが……自分のバックパックに入れておいた酒はララに飲まれてしまったからな。
ここには口うるさい聖騎士様もいないし、肉体関係を迫ってくるエルフたちもいない。
後は酔って寝るだけだ。
そう思って、俺は葡萄酒をガブガブ飲んだ。
すぐに酔いが回って、気分が良くなってくる。
「はっ、なーにがせーじょだ! 俺しゃまはなー、天下のえーゆーだぞー? せーじょがどんなひゃつか知らんが、ひとつ、この俺ががつんと物申してやらぁ~……っく!」
聞く者が聞けば血相を変えそうな台詞を一人で喚きながら、俺は狭いテント内をごろごろと転がる。
と、そのときだった。
テントに近づいてくる足音があった。
「誰らー?」
舌の回らない声で誰何する。
まぁ恐らく眷姫たちの誰かだろう。
昨晩は聖騎士たちが厳しく監視していたため、彼女たちは大人しく向こうで寝た。
だが今は立場が逆転している。
それでもさすがに今日はやめておいた方がいいだろうと暗黙のうちに了解していたのだが、恐らく我慢できなくなってしまったに違いない。
まったく、そんな身体に誰がしたんだか……って、俺でしたぁ~! がはははっ!
はい、酔ってます。
しかしそんな予想に反して――
「……し、失礼します」
テントの幕を開けて入って来たのは、セレスティーネだった。
どこか恥ずかしそうに頬を赤く染め、しかし同時に決意を感じさせる瞳。
もちろん武器や防具はクルシェの影の中にあるため、夜中に一人で襲撃にきたというわけではないだろう。
そんな雰囲気でもない。
「どーしたんだ?」
「……ルーカス様」
酩酊している俺が特に警戒心も無く首を傾げていると、彼女はいきなりその場に傅いてきた。
「どうか、わたくしめを貴方様の眷姫にしてください」
……んー?
何を言っちゃってるんですかね、この子。
今まで散々ハーレムはダメだとか、婚前交渉はダメだとか言っていたのに、この心変わりはどういうわけだ?
しかも彼女は聖騎士。
独身であることを義務付けられているはずだった。
疑問が頭の片隅で沸き起こるが、しかし今は酔っ払った状態。
俺は深く考えることを即行で放棄し、
「ふはははっ、いいだろういいだろう! そんなに言うなら抱いてやろーっ!」
あっさりとこの状況を受け入れたのだった。
セレスティーネは立ち上がると、覚悟を決めた顔で服を脱ぎ出した。
身に付けていた衣服が床に落ちて、初々しい裸体が露わになる。
「う、うぅ……」
呻き声を上げるほど恥ずかしがりながらも、さらには下着まで脱いでしまう。
巨大な双丘が解放された。
「うおっ、でっけぇ……」
思わず感嘆の声を漏らしてしまう。
確かに大きいだとうとは思ってはいたが、まさかこれほどとは。
恐らく下着でかなりきつく押え込んでいたに違いない。
しかし今、その真の姿が白日の下――というか、俺の目の前に晒されていた。
腕で隠そうとしているものの、まるで隠し切れていない。
「お、お願いです……あ、あまりジロジロ見ないでください……」
そんなこと言われてもなぁ。
見るだろ、男なら。
むしろ目の方が勝手に吸い寄せられるし。
しかも恥じらっている様が何とも初々しくてやばい。
アリアの完璧な形状の胸も素晴らしいが、この母性の塊とも言えるこの暴力的な大きさの胸も、それに劣らないほど魅力的だった。
揉みたい。
揉みしだきたい。
いいよな?
だってわざわざ目の前でぽろりしてくれてるんだし、揉んでくださいってことだよな?
「……や、優しくしてください……その……初めて、ですので……」
泣きそうな目をしてか細い声でそんなことを言われては、もはや俺の中の獣性を押え込んでおくことなどできやしなかった。
この後めちゃくちゃ揉んだ。
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