カレーを作りながら大事なことを少しだけ。
寅田大愛
第1話
なんでいつまで経っても不幸ばっかり寄ってくんの? あたしが一体なにしたって言うの? ホント、意味わかんない。いい加減にしてって、いったいだれに言ったらいいの? ねえ?
まあ、ここまでは人並み。だけどね、あたしは答えをいくつか持っている。
候補。
神様。これはほんとにベタなやつね。王道ね。人生の大半を支配してるのは絶対神様。人生でなにかうまくいかなくなったら神様に訴えれば絶対ヒントをくれるに違いない。だってあたしたちはみんな神様の被創造物だから。まあ、なんらかの答えをくれるはずなんだ。なにかに気づいてほしくてやっている可能性が高いから。自分の人生を見つめなおすきっかけをくれるかも。
あたしは台所でまな板の上のタマネギを切っていた。ニンジンとジャガイモと牛肉も切る。今日はカレーを作ろうと思ったんだ。
あとはね、日本・韓国などの国家の霊ね。これは見落とされがちだけど、あたしたちが棲んでいる・もしくは所属している血の国家は日本とか韓国とかだろうから、そういうことね。要するに、日本人の親玉なわけよ。ね。多くの日本人の所属するところ。韓国も含めたのは、日本人だと思って生きていたのに、本当は韓国人でしたっていうオチが多すぎるから。こればっかりは自分の血に聞いてみるしかない。ちなみに日本・韓国などの国家の霊に話しかけるときはダイレクトにねえ日本! とかちょっと韓国! とかで答えてくれる可能性があるからそうやってね。
切った具材をカレー鍋のなかに入れて油を入れて中火で炒める。タマネギが飴色になるまで炒めるといい感じになるとか聞いたので根気強く炒める。
最後。これはちょっと人を選ぶかな。該当者が少ないから。*族さんね。*族さんって表記するのは、あたしが彼らに口止めされているから。だいたいわかるよね、こういう書き方で。彼らが日本を裏で操っていることを、あたしは最大限の勇気をもって伝えたい。だから、他の例に該当しなかった場合は、*族さんになにか人生をなんらかの形でなにかされている可能性が高いということ。怖いけど、そうなんだから、しょうがないよね。
カレー鍋に水を入れて具材と一緒にしばらく煮込む。
番外編。これはね、一般的っちゃ一般的かも。ただの霊ね。悪霊とか生霊とかそんなやつ。お払いしてもらったら落ちるやつ。これは本当に気づかない人は全然気づかないけど、そういう存在も、います。
いい感じになったら、カレールーを入れる。そんでそのまま煮こみ続ける。
以上が、人生でなにかうまくいかなかった際に疑うべき存在についてだけど、うまく伝わっただろうか? カレーを作りながら頭のなかでまとめてみたんだが。まあ別にシチューでもなんでもいいんだけどさ。
カレールーが溶けて、しっかり、うん、カレーだねって感じになったら完成。それっぽい器に盛ってご飯をよそって食べてね。うん。
カレーを作りながら大事なことを少しだけ。 寅田大愛 @lovelove48torata
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