第2話 都会のセミと土の量
今年も窓の外からセミの声が響きます。真夏だなぁ……。
私は、つまらない伝票入力の仕事をしながら、ぼんやりとそんな事を考えていました。
すると、突然セミの声が聞こえなくなりました。
普段なら、たいして気にすることもないのですが、なぜか今日は気になってしまいました。
いったいセミはどうしたのでしょう?
普通に考えれば、どこかへ飛んで行ったのでしょうが、もしかしたら急に力尽き、そのままポトリと地面に落ちたのかもしれません。
私はどうにも気になったので、コンビニへお昼ご飯を買いに行くついでに、先ほどセミの声がしていた方へ足を運びました。
しかし、あちこちからセミの声は聞こえてきますが、どうしてもセミ自体を見つける事はできませんでした。
改めて考えてしまいます。こんな高層ビル群の中にどうして、これだけのセミがいるのでしょうか?
この都会の街中に、セミを育む土など無いはずなのに。
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