第3話 都会のセミと地球防衛
「なあ、知ってるか? セミって宇宙人の小型偵察機なんだぜ!」
虫取り網の中でバタつくセミを掴もうと必死になっているタカシ君が得意げに言っています。宇宙人? 小型偵察機? ボクは、その突拍子もない話に目を丸くしていました。
「あっ、信じてないな!」
タカシ君はセミを虫カゴに入れながら続けます。
「考えてもみろよ! 沢山いすぎるだろ? こんなコンクリートしかない都会のど真ん中で、なんでコイツら、こんなに沢山いると思う?」
そんなこと考えた事もありませんでした。セミが沢山いる理由?
「だからさ! こいつら宇宙人の偵察機なんだよ! 毎年毎年、同じ時期に現れて人間の行動を調査してるんだよ。 定点観測ってやつだな」
その時、虫かごの中のセミが鳴き出すと、辺りのセミも一斉に鳴き始めました。
「ほら! セミ同士で通信を始めたぞ! 宇宙人めっ! 地球を守るのはオレだ!」
タカシ君は勢いよく走り出しました。
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