プロローグ4
天から地上に光の柱が伸びる。その中にハルと――の姿があった。
光は人間たちの作った祭壇の上に降り注ぎ、二人はそこに降り立った。
祭壇の周りには周囲の村から来た村人が大勢集まっている。
人々は皆、深々と頭を下げていた。
「なんか……偉くなったみたい」
「た、確かに。なれないね、こういうの」
二人は最初こそ緊張していたが、いざ交流が始まると
「いや~、今度の神様も接しやすくて安心しました。どうぞもう一杯」
「いえいえ、そんな~、あはは~。――~、ささっと神器渡しちゃって~」
すっかり打ち解けていた。
「はい!じゃあ、これ。何の神器でしょう?」
――が周囲の子供たちに聞いてみる。それは一本の短く細い棒に二つの羽が付いた神器だった。
「いや、剣とかの形をしたわかりやすいものならともかく、それはわからんだろ」
「そう?これはねぇ~、空を飛ぶ神器だよ!空を自由に飛びたいなって思った時は使ってね」
「タケコ○ターかよ!」
さらに――はポケットの形をした神器を取り出す。
「で、こっちはあらゆるものをいくつでも収納できる神器だよ」
「今度は四次元ポケ○トか。まるでドラ○もんだな」
「ちょっと待って。なんでハル君わかっちゃうの⁉さては仕事をさぼってほかの世界に……」
「俺はきちんと仕事をこなしてたからいいんだよ~」
周囲の人間は二人が何を言っているのかはわからなかったが、二人の仲がとても……とてもいいことだけはよくわかった。
「タケ○プターだの、ドラえ○んだの、二人はよくわからないことを話されてますな」
「そうですな。きっと我々には理解できない高度な話をされているのでしょう。さすがですな~」
◇
飲み終えた後、人間たちはさっそく神器を使用してみた。あるものは腕輪の形をした神器をつけてみる。
目をつぶり、その者は少し集中力を高めると手の甲に紋章がうかんだ。
「適性があったみたいだね。ハルくん」
「ああ」
神器は誰でも使えるものではない。むしろ神器に対して適性を持つ者は少ない。
適性のあるものは神器の使用中、体のどこかに紋章がうきあがり、光る。
「適性があったみたいでよかったな」
「はい!ありがとうございます」
そう言ってその適性者はいくつもの鉄の鎌や斧を、周囲の何もない空間から生み出した。そうこれはハルの神器だ。
「おお!無事に発動したな。あれ?」
しかし、その者は疲れてしまったのか、地面に膝をついてしまう。
「あの神器、精神力の消耗が激しいみたいだね」
「そうだな。すまない、大丈夫か?」
ハルはその者に声をかける。
「はい、大丈夫です。ありがとうございます」
神器は一人一つまでと決まっている。神はともかく、人間の適性と精神力ではこれが限界なのだ。
その後、ハルと――はすべての神器を渡し終えて、祭壇の光の柱の中に入った。すると二人の体が浮き上がり、どんどん天に昇ってゆく。
人々は皆、見えなくなるまで地上から手を振り続けた。
◇
*この作品はフィクションです。
* * *
まだしがない学生のw-Akiです。つたない文章ですが読んでくださってありがとうございます。訂正した方が良い箇所がございましたらアドバイスをもらえると嬉しいです。
reincarnateは毎週日曜日0時ごろに投稿する予定です。
宿題や課題で忙しく、投稿できないこともあるかと思います。ごめんなさい。
Twitterを始めました。小説のネタになりそうな話や簡単なイラストなどを投稿しようかと思っています。初めに言っておきますと絵は下手です。中学の美術の成績で5を取ったことがあります。10段階でね‼
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こちらの小説も書いています。興味があればどうぞ!
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