誹謗中傷についてのおしゃべり②

 じゃあ、どうすればええねん。救えないなら見捨てればええんか?



 こうなりますよね。



 誰かがいじめられてるのを見たら、「大丈夫?」って手を差し伸べてあげるのが正しいと思ってたけど、どうやら絶対そうではないらしいと。



 正しい行いなんですよ。手を差し伸べることが正しいことに変わりないんです。



 ただほんとに「手を差し伸べている」のか。これが問題なんです。実はナイフを向けてしまっているのかもしれない。そう疑えるかどうかなんですね。



 被害者から見ると、「もう何もわからない。信じられない」ってなることもあるのではないかと思います。顔を隠されてしまって、自分の前に差し出されたものが、温もりのある手なのか、血濡れナイフなのかは触るまでわからないんですよね。



 無責任な善意を向けないこと。とりあえず「生きろ」とか言わないこと。



 残念ながら正解はありません。



『助けた美少女JKが可哀そうすぎて同棲を始めるしかなかった』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894884567


 より、主人公・高坂こうさかみなとくんの言葉を借りたいと思います。



「ふとした悪意や過ちは、いつだってみんなを襲う。誰にだって起こるんだよ。今日、またね、って笑顔で手を振った友達が、明日も同じように笑顔でいるなんて誰も約束してないんだよ」



「だから、僕らの目の前に姿を現す一つ一つに向き合わないといけない。目を逸らさず、まっすぐ見つめなきゃいけない」



 考え続けることが大切って、僕もそう思ってます。この体験を通してさらに強く思うようになりましたね。



 ただこの高坂くん。作中では「加害者が一番悪い」と言っているんですね。一番悪いのは加害者かもしれないけど、周りにいる僕らもその加害者になってしまうかもしれない。もうすでになっているかもしれない。



 そこまで気付くと、



「お前らに言ってんだよ」



 の標的が誹謗中傷をした本人だけではないような気がしてきますよね。あの作品に対して、擁護するような気でいた人たちも、ほんとに自分が加害者でないと言い切れますかってことですよね。多分。



 まだ読んでいない方は気になったら読んでみてください。最終話の最後の方だけでも読む価値はあるかもしれないです。



 この作品のレビュー、「まさに教科書!」みたいな雰囲気出されているんですけど、意外と穴ぼこ空いてたりするような気もします。「考えさせられる」って言って鵜呑みにすると、この作品に触れた意味が全くありません。



「考えさせられる」から「考える」に変わらないと、僕も彼らを映し出した意味がないんですよね。彼らは教科書じゃないんですよ。別にね。



 改めてとんでもない作品を描いてしまったのかもしれないと思えてきますね。かんなづきさん怖いですね~笑。



 あ、ちなみに僕は温かい言葉に励まされた民です。なので応援してくださった方には感謝したいです。ありがとうございました。



 ただその僕でも、少し息苦しさを感じるような時があったりしたので、きっとその気はなくても自殺を幇助ほうじょしてしまう可能性もなくはないのかなと思ってしまいますね。



 


 一番手っ取り早いのはですね、間違いなく誹謗中傷をしないということなんですね。本っ当に、誰も幸せになりませんから。


 

 今回の僕へのものは原因が僕にあることがはっきりしてるので、そういった意味では誹謗中傷とは言えないかもしれませんが、根拠もなくあんなの飛んで来たら、常人なら耐えられませんし、普通に死にます。人間なんで。ビルの屋上で空中散歩を試みますし、迫りくる金属塊に体を打ちつけたくなりますよ。そっちの方が楽になれるんだもん。どう考えても。



 本当ですからね?本当ですからね?



 じゃあ加害者の方に目を向けてみましょう。



 誹謗中傷に走る時のトリガーというか、そのパワーって多分えげつないんですよ。



 だって普段美しい言葉の表現に触れているはずの小説読者でさえ、小学生みたいな言葉遣いしてきましたからね。「あなたたちが小説を読んでる意味は果たしてほんとにあるのか」って聞きたくなってしまうほど。



 皆さんいい大人ですよ。きっと。



 これに対してネットの人がよく言う言葉の中に「語彙力ないので」っていうのがあるんです。僕は結構嫌いな言葉なんですけど。



「語彙力」って語彙をどれだけ知っているか、そしてどれだけ使えているかなんですよね。単語力+表現力みたいなイメージだと思います。



「語彙力ないので」って言ってる人のほとんどは表現力がないだけなんですよ。言葉は誰だって持ってますし、僕と皆さんの単語力ってそんな変わりませんよ。実際。それを「語彙力」と統一してそれにかこつけて自分守るんですよね。「自分は多くの言葉を知らないから上手く伝わるかわからないけど」みたいな。



 それも「無責任」な気がしてしまうような気もなくもないです。


 

 SNSとかならわかりますけど、小説サイトでその言葉が飛び交うのは超違和感な気がしますよね。自分を卑下してるのがどっちかわからなくなってきました。



 ちょっと脱線したので話を戻しましょう。



 誹謗中傷のトリガーの話ですね。



 引き金が引かれてしまったらもう元には戻らないんですよね。加害者も被害者も。高坂くんも言っていましたが、心は一度傷がつくと完治はしないと。そういった意味では僕も心に一生傷を負ってるわけですし、一生僕を気持ち悪がってる人だっているわけですね。



 先に話したように、手を差し伸べることが危ないのであれば、もっと危ないもの止めなくてはなりませんよね。加害者への制裁について応援コメントで色々もらったんですけど、それは気持ちの埋め合わせ程度にしか働かないのではないかと思うんですよね。もちろん加害者を罰さないと被害者が浮かばれないと言うのはその通りだと思いますけど。



 加害者を作らないっていうのがまず大事なわけですよね。



 これ実は根絶するの不可能なんですけど、「予期せぬ加害」は防げると思いませんか? 悪意に満ちたものではなく、よく考えれば相手を傷つける可能性に気付けるもの。加害者を作らないって言うか、自分が加害者にならないようにする方が合っているかな。



 それをピックアップしたら「ご都合主義」とか書かれましたけどね。



 そんなこと言ったらお前が五体満足で生まれてきてることも何食わぬ顔でネット小説読んでるのも全部神様の「ご都合」じゃねぇのかと思っちゃいますけどね笑。結果としてそう見えるかもしれないですけど、まあその人たちは本質に気付かずに誰かを傷つけて生きて行ってしまうのでしょう。なんか、可哀そうですね……。



 実際あんなものではないこともわかってますからね。その上であのような人生がある可能性を示せるような進み方をしたら「ご都合主義」だなんて。彼女たちの人生は誰にも邪魔も否定もされないはずなのに。ねぇ……。


 

 とか願い始めるとまた「作者として無責任」って言われちゃうので避けましょうか笑。



 ちなみに気付かれている方も多いと思いますが、彼らが高校二年生だったのって2022年という設定なんですね。最終回は2025年。今から数えてもう少し先の未来。あのような世界がある可能性を考えることすら小説という芸術の前では無力なんですかね。気持ち悪いですねー小説。正直カクヨムなんか始めなければよかったかもしれませんねー笑。ははっ。



 おっと自己否定癖がこんにちはしてしまいました。危ない危ない。





 僕はあの人生に触れた人が少しでも自分のことを考えてくれるようになることを願っているんですけど、実際のところどうなんでしょう。まあ確実に僕はもう人の悪口言えないですね。



 でも、イラーッ、ってくる時はありますし、誰かに強い言葉をぶつけたくなる気持ちもわかるんですよね。馬鹿みたいに必死で抑えますけどね。



 皆さんはどう思いますか? ネットいじめや誰かに対する誹謗中傷に対して、このラジオが少しでも考えるきっかけになれば嬉しいなと思います。



 最後にもう一度だけ。これだけは留意しておいてください。



 僕の体験による感覚は普遍的なものではありません。近しいものがあるかもしれませんが、被害者の誰もがこの感覚を持っているわけではありません。温かいこと言葉に励まされる人だっていますし、責められていると感じる人もいます。



 間違えてもしてはいけないのは被害者を否定すること。ついた傷を故意に抉ろうとする行為です。この行動の悪辣さが分からない人は一回自分の手の甲に包丁でも突き刺してみてください。多分わかります。



 あとはすべて皆さんの考える力にかかっています。どうか皆さんとその周りに、悲しい涙が流れませんように。





 かんなづきはカクヨムの他にYouTubeでも活動しています。

 https://www.youtube.com/channel/UC-FMy74f2qCN2Yl5K_L6YHw



 よかったら見に来てください。



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 それではまたどこかでお会いしましょう。おやすみなさい。

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