Web小説についてのおしゃべり②

 さて、続きですね。



 僕の感覚話を延々続けても嫌われるだけなんで、これについて考察したことを喋ってみます。



 まず注目したのは「書籍」と「Web小説」の違いです。この「書籍」って言うのは、本屋で買える紙媒体のものもそうですし、電子書籍も含みます。



 皆さん「Web小説」と「電子書籍」ってもうほぼ同じなんじゃね? とか思っていませんか? 違いますからね。



 まず前提として、小説を文学として、芸術作品として見てみます。これは純文学・ライトノベル問わずです。



 端的に言うと「書籍」っていうのは「所有する芸術」なんです。自分で買って、自分のものにして、読む、と。



 その作品は作者の手を離れて読者の手に渡りますよね。



 それに対して「Web小説」は「アクセスする芸術」なんです。Web小説ってお金で買って自分のものにできないですよね。そういうものになることを「書籍化」って呼んでるじゃないですか。



 その作品は読者の手に渡りません。





 これは小説以外でも例を挙げることができますよ。



 例えば音楽。蓄音機が開発されて、録音することが可能になったことから、音楽はだんだん製品として、「所有できる」ものになりました。今やそれはCDになったり、データになったりしてますよね。



 CDはまだ作品を所有しているという感覚かもしれませんが、データになってスマホとかに入っている状態だと、形のない「音楽そのもの」所有しているのであんまりその感覚はなくなっちゃうんですよね。でも所有してます。



 これに対して、「アクセスする芸術」としての音楽もあります。一番わかりやすいのは皆さん大好きYouTubeです。さっき僕もリンクを貼ったでしょう?



 YouTubeに公開されている音楽って、買って自分のものにできませんよね? あれは公開されているページにアクセスして、他者との共有空間で音楽を聴いているという状態です。



 アクセスという言葉がなんとなく「インターネット」を思わせがちですが、ライブパフォーマンスもこれに分類できるかもしれません。あれは所有できませんからね。



 絵画なんかも買って自分の家に飾るか美術展に見に行くかで違う芸術になります。





 さあ小説に話を戻しましょう。



 この「所有する芸術」と「アクセスする芸術」。大きな違いは、作品がどこにあるかですよね。



「所有する芸術」は所有って言うくらいなので読者の手にあります。一方「アクセスする芸術」はどこにありますか?




 はい。きっと「作者」のもとにあるって考えたでしょう。




 これが「作品は作者のもの」という感覚を引き出す原因です。



 作者が持っているのって、作品の著作権であって、作品の所有権じゃないと思いませんか? Webに公開してる時点でその作品は誰のものでもないと思うんですよ。



 著作権はちゃんと作者にありますけどね。



 ただ作品のページを開いて文章を読むという特徴上、なんとなくそのページの作成者がそのページの所有者だと思ってしまう。他人のものを「読ませていただいてる」ような気になる。



 でもカクヨムって個人Webじゃないわけです。みんな同じようにページを作っているし、それを公開して共有している状態って言うんでしょうか。



 ギブアンドテイクって言葉があると思うんですけど、これに当てはめると



「作者」 作品 「読者」



 って感じですよね。でも実際は、



「作者」 → 「Web作品」 ← 「読者」



 こんな感じじゃないですか? これが読者側から見ると



「作者/作品」 ← 「読者」



 に見えてると。こんな感じなんだと思います。



 ちなみに僕の場合は、



「Web作品」 作者のカメラ 「読者/作者」 



 って感じです。もしかしたら作者は「」に入る必要すらない程の存在かもしれません。それくらいかんなづきってどうでもいい存在ですからね。





 実はかんなづきがWeb小説として作品を作り出したのもこう言った構図が理由だったりします。



 やはり作品を書くとなると、誰かの人生が自分のものになる、読み手に好き勝手に弄ばれる感覚が離れない。それは個人的に凄く気持ちが悪いので、彼らの人生を映し出す上で、誰にも邪魔されないところに置けないだろうかと。



 それがWebページの中ですよね。小説としての役割はそのままにしつつ、彼らの人生は誰にも邪魔されないし、誰のものにもならない。そう思ったんですけど……。



 例の問題作についた7000人弱のフォロワーさんが僕の考えをことごとく破壊してくれました。フォローしてくださったのはありがたいんですけどね……笑。



 書籍化を望む声もいただきましたけど、個人的には、もうあの子たちの人生を誰の手にも渡したくないなぁと言うのが本音ですね。すっかり疲れてしまいました。まあその前にあのクオリティで書籍化するなど創作活動への冒涜ですけど笑。



 書籍化自体は素晴らしいと思いますし、してみたいとも思うんですけどね。でもあの作品はちょっと無理ですね。



 読者様の手に渡す「所有する芸術」にしてしまうのは気が引けます。もう誰にも邪魔されず、自由に生きて行ってほしいな……なんて。もう鬻ぎたくないです。





 さあ、今回はWeb小説についておしゃべりしてきました。僕の作品に対して見え方が変わればいいのかなとは思いますけど、それは無理かな……笑。



 次回は何について喋るか決めてないですが、もし聞きたい話があれば応援コメントにでもどうぞ。こういう文字ラジオって、ポスト? みたいなものもいるのかなと思うので。





 かんなづきはカクヨムの他にYouTubeでも活動しています。

 https://www.youtube.com/channel/UC-FMy74f2qCN2Yl5K_L6YHw


 よかったら見に来てください。


 Twitterはこちら↓

 https://twitter.com/OctobeSS



 それではまたどこかでお会いしましょう。おやすみなさい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る