キリヤ公国建国史 第8回 キリヤ公国と伊達家・毛利家・上杉家らの臣従っ!!上杉家編!!
アマテラス独立御三家である上杉家は、独立大名王時代だったマギアンティア世界統一暦・1555年・6月2日
マギアンティア世界の春が終わりに近付いたある日のことであった。
キリヤ公国連合国の移民募集の宣言の報は、冬は雪深く、夏場涼しく過ごし易い上杉家が治める越後国にも届いて居た。
越後の勇にして、越後の龍または軍神と謳われ恐れられ敬われて居る上杉・剣信・輝清は、ぶっ飛んだ思考の持ち主。
日本風に言えば、中二病を患って居る歳頃の良い大人の女性である。
年頃は24歳で、貞操を貫く聖女の様な人物と言われて居たが、単に毘沙門天教に信心深いだけの中二病乙女に過ぎないのが真実の姿なのであった。
その剣信が、何時もの様に、春日山城の最奥に建立した毘沙門天教堂に篭って、軍神である毘沙門天に祈りを捧げていた。
そして、深夜まで祈りを続けて居た、とある時間。
流石に剣信も、眠気には勝てずに、ウトウトと眠り扱けていた。
そんな彼女の夢の中に、突然、軍神・毘沙門天が現れた。
この毘沙門天は、日本等に伝わる毘沙門天の姿が似て居るだけで、この世界では、アマテラス限定で崇拝されているマイナーな神様の一人で、軍を率いる戦いの神と言われる軍神であった。
そして、異世界日本の神様とは類似性も関係性も一切関係無い神様なのであった。
「剣信、剣信、上杉・剣信・輝清よ。」
「はっ、まさか毘沙門天さま?」
「そうだ、何時も熱心に祈りを捧げてくれて居る事には、我は心から感謝して居るぞ!!」
「そんな其方が、私にこの世界に戦の無い、民が安心して暮らせる世を作るには、如何したら良いかと願ったな?」
「はっ、はい。この国や世界は、沢山苦しみで溢れ、荒れて果てしまって居ます。如何すれば良いのかをお聞かせ下さい。」
「剣信。そんな簡単に世の中から争いや苦しみに飢え、戦は無くならない。」
「えっ・・・・・・・」
剣信が心から崇拝する神様は、残酷な答えを彼女に言い放った。
その言葉を聞いた剣信は、驚いた顔つきで悲痛な顔立ちへと変わって行く。
だが、軍神・毘沙門天は、同時に救いの答えも彼女に啓示を与えた。
「だが、どうすれば良いのかの方法は在る。」
「そっ、それは一体?」
「西の大陸に世界神が遣わした異界から現れし、少年が居る。その者に仕えれば、お主の問いの答えが分かるであろう。」
「西の大陸・・・・・はっ!?中央世界地域のユーラシアン大陸南東部に最近に成って出きたと言う小国が有った筈・・・・・確か名は・・・・キリヤ公国。」
「彼の国の王は異界からやって来た少年王と言う話だ。」
「毘沙門天さま、私はその者に仕えれば、良いのですね。」
「それでは私はこれで去る。これからも精進し、更に励むのだぞっ!我が忠実なる信徒、剣信よっ!」
「決して、その少年を裏切る様な真似はせぬように・・・・・・・・・・・」
夢枕に立っていた毘沙門天は、消えて行った。
実はこれ、兵力や指揮官と成る人材に人手が足りないと嘆いて居た勇治の様子を見ていた女神アルテジアが、格下のマイナー神である軍神・毘沙門天に頼んで、勇治の下へ剣信を遣わせようとお節介を焼いたモノである。
「はっ!?夢?いや、これはお告げだっ!軍神・毘沙門天さまから私ヘのご神託なのだっ!」
「私は行かねばっ!行かねば成らないっ!」
「直ぐにでも会いに行かねばっ!キリヤ公国の公王である桐谷勇治殿にっ!」
「彼のお方こそ、私が真に仕えるべき、主君と成るお方なのだっ!」
外に出ると、夜明けだった。朝陽が春日山城の上で、光輝いていた。
「誰かっ!誰かあーる。」
「剣信様?」
剣信の呼び出しに応じて現れた近習の配下の小姓侍の者は、またもや気が狂ったような戯言を言うのかと察して、嫌そうな顔に成るのを堪えながら応対する。
「私は昨夜、軍神・毘沙門天さまからのご神託を賜った。」
「私はこれからキリヤ公国に向かう。家督は直ぐにでも甥の影勝に譲る。後の事は、この上杉家の事は任せるぞっ!!」
「はい・・・・・・・・って?!えええぇぇぇぇぇーーーっ!?」
「お待ちください剣信さまっ!剣信さまああああぁぁぁーーーっ!!」
小姓をして居る近習の配下の者は、同僚達を必死に大声で叫びながら、何とかして主を引き留めんする。
だが中二病を患う主は、周りに縋りつく家臣に等が諫め留め様と縋るが、決意の固い剣信はさっと旅支度を済ませて出て行こうとする。
この日、越後の龍または軍神と謳われ恐れられ敬われている上杉・剣信・輝清は、家督を姉の息子である甥の上杉影勝に移り、一部の重臣と直臣。子飼い家臣を引き連れて越後を旅立って行ったのである。
それから3日後のこと、致し方無く上杉家の家督を急遽、継ぐ事に成った上杉景勝。
彼は新たな上杉家の当主を任される・・・・・・と言うか、丸投げをされてしまった上杉・剣信の甥に当たる上杉景勝は、この時18歳。
跡目を相続かるにはやや早い年頃とも言えた。
彼は上杉家のベテラン家臣団が立ち去った事で、若手家臣団で、景勝の直臣達が家老職を務める事に成った為、春日山城の評定所へと集まり今後の方針を決めようと集まる。
新たな上杉家の筆頭家老と成った直江・愛華・兼継と次席家老と成った 大国・七恵・実頼と共に集まった上杉家の評定衆達のメンバー達は、先代達から丸投げされた上杉家の運営を如何したら良いのかと頭を抱えてしまう。
何せ、引き継ぎ作業もソコソコして、上杉・剣信を追いかけて行ってしまったからだった。
「はぁ~、相も変わらず叔母上は勝手お方だ。数年前は関東管領・上杉憲政様に乞われて養子に成られた挙句に長尾の家を上杉家に改名されるし、その後の小田原城攻めでは、関東武士の慣例を知らずに、無知な無礼を成田家にしてしまった事で一部の関東武士達が怒って帰ってしまう失態を犯した挙句に兵糧が尽きて撤退。」
「追撃戦で手痛い目合う始末。」
「極め付けは、北信濃国を巡っては、武田家と5度も戦って武田家と共々共倒れに成り兼ねない我が家の大赤字。」
「そして・・・今度は、最近に成って何かと噂の在るキリヤ公国連合国へと仕官しいかれてしまった。」
「オマケに、同盟国と成って居た北信濃地方の国人衆である村上家の村上・清美・隆清殿と真田家の真田・幸恵・幸昌殿たちを伴っての渡海と聞く。」
「はぁ~、それに古くから仕えてるベテラン達は 叔母上たちに付いて行くと言って出てってしまった。ああっ!!僕は如何したら良いのだ!!」と普段から寡黙な景勝も、この時ばかりは頭を抱えてしまいながら良くペラペラと饒舌に喋って居たと、後に書かれた上杉家の史記である上杉独立自治北陸藩王国建国記には書かれて居る。
其処へ景勝の母親である上杉綾 が現れた。
彼女は上杉・剣信・輝清とは14歳年上の腹違いの姉妹関係で、その間には旧越後国守護代大名王家・長尾家の当主だった長尾晴景が居る。(当時30歳)
越後国・坂戸長尾家の当主である長尾政景へ正室として嫁ぎ、その年の暮れに長尾景勝を産む。(後の上杉影勝)
だが、その後、足柄幕府王朝・関東管領であった上杉政憲との舟遊びで庭池で転落溺死した事で未亡人と成ってしまう。
現在は上杉独立自治北陸藩王国の首都である首都・春日山市内に屋敷を構えて静かに暮らして居た。
その見姿鏡は、サラサラとしたロングストレートヘアーとやや背が高く、中々のボディスタイルとボディライン持った身体付きで、妖艶おっとりな雰囲気が漂う熟女なお母さん系のお姉さんタイプな人物である。
「景勝、悩んで居るようですね?」
「これは母上様。はい。」
「剣信も、信心深い軍神・毘沙門天様の事に成ると、盲目に成りがちなのは分かるけど、もう少し身の回りを整理と引き継ぎ作業をしてから出かければ良い物を・・・妙な所でせっかちで戦バカなんだから。」と実の妹の事をボロクソに言う姉は、やれやれと言う感じでため息を吐く。
「しかしながら母上様、これは上杉家の一大事。」
「とても僕一人では・・・・・・・」
「成らば景勝、丸投げついでに、此方も丸投げをして見ると言うのは如何かしら?」
「丸投げですか?一体、何を?」と母上の奇想天外な一言に首を傾げる景勝。
「うふふ、いっそのこと、戦バカ妹の剣信と同じく、上杉家の身代を貴方に丸投げしたように、上杉家の進退をキリヤ公国連合国へと丸投げして見るのは如何かしら?」
「ななっ!!何んととっ!?」と驚く景勝は驚愕の声上げて驚いた。
「流石は綾さま。」
「良い手かも知れません。」と新たな評定衆の筆頭家老と次席家老を務める双子姉妹も賛成する。
「噂では奥州の伊達家は、キリヤ公国連合国へと臣従する動きを見せて居るとも聞くし、毛利家も何やらキリヤ公国連合国と外交交渉で活発て来な動き見せて居ると軒猿たちの報告では聞き及んで居ます。」
「景勝、此処で我ら上杉家もキリヤ公国連合国へと臣従する事にすれば、少なくともアマテラス神皇国地方内での騒乱、天下統一覇権争奪戦からは離脱する事で御家の安泰を図れて、中立地域と成る事も可能でしょう。」
「おおっ!!流石は母上様です。この景勝、目から鱗が落ちる思いです。」
「愛華、七恵。」
「「ははっ!!」」
「直ぐにキリヤ公国連合国へと使者を送れっ!!先代当主である上杉・剣信・輝清が主君と仰ぐ桐谷勇治公王陛下は名君たる器に在りと見た。」
「我が上杉家は桐谷勇治公王陛下とキリヤ公国連合国へと臣従を申し出ると伝えるのだっ!!」
ってな訳で上杉家と上杉景勝は、桐谷勇治とキリヤ公国連合国へと臣従を申し出ると伝える事と成った。
キリヤ公国連合の傘下の上杉大名王家の独立自治国家とされ、その名を上杉独立自治北陸藩王国と名付けられ事と成る。
国土はアマテラス神皇国地方の能登・加賀・越中・越後・佐渡に加えて、武田・北条・アマテラス地方東国征伐平定戦に措ける戦功としての褒賞として上野国が与えられ、6カ国領土を本土とする藩王国体制築く事に成った。
上杉藩王家は、武門と忠義を掲げる忠孝のお家柄として 後に上杉(桐谷)・剣信・輝清が副性とし賜った桐谷の苗字を頂くキリヤ上杉家を立ち上げる事に成るが、両家共に栄えてキリヤ公国連合国の中核的な家柄として代々続いて行く事と成ったのであった。
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