第62話 少年王と彼女達とのトウキョウ都観光っ!! 1

マギアンティア世界統一暦・1555年・11月1日・午前10時05分頃・マギアンティア世界・中央世界第一文明圏・ユーラシアン大陸・ キリヤ公国連合国・第三連合地方・新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区・政府行政区主要特別区・トウキョウ都地区にて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


勇治とキリヤ公国連合国の活躍で、アイヌル・シャッコロ・北地の反乱と名付けられたアイヌルの大反乱は鎮圧された。


 戦後処理を居残り組に任せた勇治と主だったキリヤ連合の首脳幹部者達は、新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区へと戻って来て居た。


 勇治達は、新トウキョウ湾岸海洋都市・特別地方自治州区と成る東方日本地域政府(旧日本政府)との残って居る詰めの摺り合わせ交渉とする為に、再度トウキョウ都地区へとやって来て居た。


 トウキョウ都地区は、旧東京都が丸ごと名称変更した地域の事で、キリヤ公国連合国の政務事は、東京湾内に浮かぶ新トウキョウ湾岸海洋都市で行い。


 

 新トウキョウ内での事は、引き続きトウキョウ都の永田町を中心にして、治めて行く事が決まって居る。


 アイヌル・シャッコロ・北地の反乱が収まるまでトウキョウ都で、待って居たガリアナ王国の王女であるセレジア。


 勇治がこの世界に初めてやって来た時に、その面倒を見てくれた保護者でもあった魔導師レイラの二人は、勇治達の出迎えの為に、トウキョウ都港へとやって来て居た。


 その後ろには、セレジアの護衛騎士であったキリヤ公国の近衛騎士団長マリアとその部下達が居並んで居た。


 一方の勇治には、護衛官である柳生・冬香と上泉・伊澄のコンビが、直営の部下達を引き連れて、先に公王専用お召客船キリヤ号からタラップを使って降りて来て居た。


 そして・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「ううっ、うーん・・・・・・・・」


 アマテラス神皇国の九州島地方沖で漂流し、大やけど追って居た大柄の女性が、公王専用お召客船キリヤ号から担架で降ろされて居た。


 港ではトウキョウ都消防庁の港区消防署本部から、救急車と先導車のパトカーが待機して居た。


 同伴車両には新トウキョウ国防軍の医務官7名と看護師5名が付き添う事に成って居る。


「お願いします。」


「凄い火傷と斬り傷ですね。」


「アマテラス神皇国の九州島地方沖で漂流していた所を拾いました。」


「重症と見られますが、応急処置が良かったのか、一命を取り留めました。後は・・・・・・」


 勇治が事の顛末を国防軍の医務官達に説明し、何とかして助け欲しいと願って居た。


「分かりました。後は此方で何とかします。」


「後で治癒魔導士も送りますので、対応の方をお願いしますっ!!」


「分かりました。」


 ピーポー、ピーポー、ピーポー、ピーポーと救急車とパトカー、それに医務官等を乗せたバンタイプの自動車は走り去って行く。


 

 大怪我を追って居る女性は、都立大病院へと運び込まれ、集中治療室で緊急治療が行われるとの事らしい。

 

 それを見送った勇治の下に、後ろからキリヤ連合公国統合軍の総司令官である山本五十鈴とビクトリナ総督にして、ビクトリナ軍最高司令官とキリヤ公国の第二連合自治方面軍司令官を兼務しているジェシカ・クローディア。 


奥州王国からやって来た伊達・藤枝・政実。  



 毛利藩王国の毛利・輝実、吉川・春美、小早川・隆美の毛利家三姉妹。


 フェリス国の侯爵王であるレイチェル・フェリス達が、心配そうな顔つきで降りて来た。


「なぁ、勇治。あれは多分、大名王家の者かも知れないな。」


「あっ!そう言えば、あの風貌と良く似た話を聞いた事が有るかも。」


「そう言えば、わしも聞いた事が・・・・・・」


「姉さん達、それってもしかして九州島地方・北西の筑後国と肥前国を統治して居る大名王家、龍造寺家の龍造寺・信美・信隆殿の事では?」


「そうそう、そんな名前だったわ。」


「ああ、それじゃけん。そうじゃったから、わしも覚えて居ったけんなぁ・・・・・・」


 九州島地方の端っこを治めて居る大名王家だった事も在り、毛利家の面々は龍造寺家の名前や風貌の噂話は、聞いた事が在った。


 毛利家が一大名王家だった頃は、九州島地方にも領土を広げていた事も在り、大友家と並んで龍造寺家も仮想敵国と見られて居た。


 だが、キリヤ公国連合国に加盟してからは、アマテラス神皇国の大名王家なんぞ、喧嘩を売って来る愚か者が居なく成って居た。


 そんな訳で毛利家の自国領内は、太平の世へとシフトチェンジして居た為に、仮想敵国だったその事をすっかり失念して居らしい。

 

「姉さん達、毛利家領内がキリヤ公国連合国と成ったとは言え、まだまだ周辺地域は戦乱の時代なのよ。もう少し、緊張感を持って欲しいですね。」


 メガネを直す仕草をしつつ、姉たちを叱責するしっかり者のロリ巨乳な妹。


 実に面白い様相を呈して居ると言えた。


「まぁまぁ、それくらいにして、隆美さん。後で詳しい話を聞きたいから時間在りますか?」


「へっ!!時間?ってその・・・・・二人きりですか?」と・・・もじもじとしてしまう隆美。


 どうやら二人きりに成れると思って、赤面して居るらしい。


 隆美は勇治との初体面の時以来、色々と毛利家を良くしてくれた事や自分にも優しくしてくれた事で、彼に対して恋をしてしまったらしいのだ。


「うーん。まぁ、良いか。二人きりでも構いませんけど・・・・・・」


「えええっ、えっと。えっと、えっと・・・その・・・・・はい・・・・」と改めて恥ずかしくなる隆美。


(あー、アレは)とセレジアは、分かりやすく過ぎると思った。


(あからさまに態度だよな。勇治の奴は気にも留めて無いようだが・・・・・・)と政実は、勇治の義姉として呆れていた。


 政実は勇治と出会い付き合いを深めていく中で、「家族が少ないなら私は今日からお前の姉だっ!!」と言って実の弟の様に彼の事を可愛いがって居た。


(はぁ~そうなのよね~、勇治くんたら、隆美に対して全然気が無いのよ。)とひそひそ話で、政実に声を掛けて来た輝美。


(どんだけ鈍いじゃぃっ!!)と春美は苛立ちを隠せないが、必死に怒りと拳を振りかざすのを我慢をしていた。


(ねえねえ、輝美姉さまは、二人を如何したいの?)


(それを貴女が言うの?)


(それはそうだけれど、私としても、あからさまに正妻面をするのも大人げない気がするし、あの隆美姉さまや他のみんなも、勇治と色々と有るから、目くじらは立てたくは無いのよ。)


(後は後宮内の規律さえ守れればね・・・・・・・・・)


 そう、後宮内の規律とは、デート・二人切りの逢引き行為・席順・寝室での隣の順番等々と色々と後宮嫁法と言う法律の事だ。



 これは勇治との関係を持ち、後宮へと入る覚悟を決めた女達の間で取り決める内容をセレジアとリィーゼの二人の手によって、定められた絶対の後宮法律の事である。


 特に子作り目的と愛し合う為のセックスをする場合は、正妻と後宮管理庁に必ず届けをして、何所でするのかを明確にしろと決まりが在るのだ。


 どうやら隆美は、その事をまだ知らないらしく、知らされて居るのは、女性国家元首や国家幹部クラスで、それ以外の場合は勇治と関係が深いと見られた場合のみ、告知されて居る。


 此処に居る面子で知らないのは隆美と春美、護衛官の柳生・冬香と上泉・伊澄の4人が、後宮嫁法の事を知らされて居ない。


 隆美は、まだ勇治と如何したら後宮での関係を築けるのかを知らずに居るのであった。


 そして、後宮嫁法の最後には、こう在るのだ。


「勇治と生死を最後の時まで身も心も捧げて、付き添う覚悟の在る者は、同志として名乗りでよっ!!中途半端な覚悟の者は即刻立ち去れっ!!」とね。


 その中には猛獣の様な人も居るから、トンデモナイお嫁同盟条約と言えた秘密法律である。


 数年後、子種を巡る浮気騒動を巻き起こすアニメでも有名主人公たるピーター何某も真っ青なハーレムを作り上げる事に成る勇治は、この世界中の男達から恨み節の怨嗟の声を言われ続ける事に成るだろう。


(セレジア、我が毛利家とわたしとしては、隆美が勇治くんと、どうなろうと構わないわ。ちゃんとした責任を取るのなら、キリヤ公王家と親族関係は、毛利のお家としても望む所よ。)


(そう言う輝美は、その気は無いのか?)と政実は、毛利家当主として、輝美個人として、勇治の事をどう思って居るのかに興味が在ったので、折角だから聞いて居見た。


(うーん。まだ、可愛い弟くらいなのよね。父上なら早く、くっ付けと煩く言う所なのだけど、本気に成らないのかと聞かれると、わたしの場合はもう少し時間が欲しいと言いたいのよ。)


(今のままだと、チョッと年上のお姉さん的なお友達関係で、終わりそうに成ってしまいそうに成りそうだしね。)


(そう言う政実は?)


(これ藪蛇だったと思うが、開き直って言うぞっ!!伊達家当主としては・・・・在りと言いたいが、男としては、少々歳がな。)


(あの和紗殿なら開き直って愛していると叫んで居るが、私は・・・な。折角できた義弟と恋人関係に成り切るには、輝美と同じ考えだな。)


(だがな・・・・・・あと数年後は、如何なって居るかは分からないがな。)


(それは私も同意見ね。勇治くんは不思議な魅力が在るから、年上・同年・年下は関係無く垂らし込むから、案外18歳過ぎたら、此処に居る全員が後宮内で夜伽を共にして居るかもね。)


 と輝美に指摘される様にして、この場に居る女性陣達は、勇治にベットの上で数人単位でアンアンと喘ぎ声を上げている姿を想像してしまう。


 そんなあられもない自分の主軸として夜伽をして居る姿を想像すると、この場に居る全員の顔が、真っ赤に成って居た。


(勇くんと夜かぁ~)


(何だぁ、五十鈴はその気が無いのか?)


(無いわね。今の所はね。だって私にとっては、本当に可愛い弟なんですもの。)


(そうか・・・・・(アレで勇治の奴は、知らず知らずのうちに、五十鈴の事を好いて居ると思うぞ。頼りに成るお姉さんだった事から、次第に憧れ女性に成りつつあるのは、何となくこの私も気付いて居る。)」


(なのに五十鈴の奴は、妙な所で二ブちんたがらな。)


(それに比べて、わたしはどうだ。友人以上に成るのは相当な日数が掛かると思うな。)


(最後は言いよってOKを言わせるしか無いが、それは悪手だからな。)


(わたしは最低限魅力在る女として見て貰う積りで居る。)


(そうする事でビクトリナ独立自治共和国が、キリヤ公国と半永久的に良好な関係を保てる礎と成ると言う物。)


(旧ビクトリナ王国の侯爵家令嬢として、私欲抜きで奴と対等に居たいが・・・・・・・・抱いて貰うからには、愛情くらいは欲しいかな)


「(どうしたの?)」と五十鈴がぼーっとしていたジェシカに声を掛けて来た。


「(何でもない)」とジェシカは直ぐに答えた。


 一番の親友が一番のライバルに成り得ると見て居る彼女は、自分だけの秘密を隠す事にしたのだった。


(中央政府の方々と他国の方々は、既に色々とお考えが在るみたいでしょうけど、私は・・・・勇治と、どうしたら良いのよ。)


 フェリス侯爵独立自治領国の侯爵王であるレイチェル・フェリスは、父親であり、前侯爵家当主であったアルベルゴ・フェリスからある事を言い渡されて居た。 


 それは「良いか、娘達よ。お前たちの中から一人、或いは全員でも良い。勇治陛下のご寵愛を賜るか、お前達が勇治陛下の御心を掴み、我がフェリス侯爵王家の行く末を盤石の者とするのだっ!!」


「出来れば将来、お前達かその子孫達の何れか中から跡取り王子が産まれた名家として、フェリス侯爵王家が子々孫々まで名を残せる家と成るのが、わしの望む所である。」


「その為にも勇治陛下に抱かれるか、お前達が寝屋を供にしたいと自ら進んで突撃するのだぞっ!!」と自分の娘達に勇治の王妃か側室に成って抱かれるか、抱きに行けと、言い含められて居た。


 姉のロイチェルは「あら~あたしは全然平気よ。だって勇治ちゃんってば、とても可愛いじゃない。あたしなら、あの子にベットでヒイヒイ言わされても、全然気にしないわ。」


「愛人だって言われも気にしないものね。」と優しくて母性愛に満ちたお姉さんは、王侯貴族として気構えが出来て居た。


 嫌な相手でもない勇治なら、身体を好きにさせても気にしないと言うビッチな発言が見られて居た。


 一方のライチェルは「えっ!?勇治のこと?はぁ~ダメダメ、ダメだってっ!!あの子っってば、まだまだお子ちゃまじゃない。男として見るには10年早いわよ」と言う始末。


 とか言いつつ、数年後は姉妹たち中でも一番に勇治の事を独占したがるツンデレさんと成って居たりする。


「嫌よっ!!私が勇治のお嫁さんの一番の存在なんだからっ!!」とか言う事に成る。


 その中間の考えに至って居るのがレイチェルだったりする。


 家の為、子孫の為と言うのなら勇治との肉体関係を持つのは構わない。


 だが、果たして彼は自分の事を何所まで想ってくれるかを心配していた。


(少なくとも、もう少し親しく無いと、私としては・・・・この身体を勇治に委ねるなんて中途半端な真似は出来ないわっ!!)


(事はお家の為とは言え、主君を夫にすると成れば、それなりの親しい知己としての親しい間柄と成る事は必要不可欠。)


(その為には、私は何が出来るのでしょうね。)と小難しく考えてしまう面倒くさい性格をして居るレイチェルなのであった。


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